パワコンの性能に左右される自立運転機能。その運転方法も解説!
蓄電池や太陽光発電を導入しているご家庭にとって、停電時でも電気を使えるようにする自立運転機能は極めて重要な機能です。ですがこの機能、パワーコンディショナ(パワコン)に備わったもので、パワコンの性能に左右されるということをご存知でしょうか。
今回の記事では、このパワコンの自立運転機能について解説すると共に、その使い方を説明していきます。
自立運転機能とは
自立運転機能とは、停電時でも、蓄電池に蓄えた電気や太陽光パネルで発電した電気を家電製品などに使用できるようにする機能です。蓄電池と太陽光発電を併用している場合は、太陽光発電の電気を蓄電池に充電する機能も含まれます。
自立運転機能に関わるパワコンの性能
自立運転機能は、パワコンに備わっている機能です。そのため、パワコンの性能、特にパワコンの「自立定格出力」と「200V機器対応」に依存します。
自立定格出力は、停電時の最大出力を表すもので、この値が大きいほど一度にたくさんの家電製品を使用可能です。1,500W~2,000Wが標準的ですが、大きいものでは5,500Wのものもあります。
一方、200V機器対応は、パワコンが200V機器の大出力エアコンやIHクッキングヒーターなどに対応しているかどうかを示すものです。つまり、停電時に使用したい家電製品に200V機器が含まれる場合、200V機器対応のパワコンを選ぶ必要があります。
ハイブリッドパワコンの自立運転機能
蓄電池と太陽光発電を併用する場合の自立運転機能は、ハイブリッドパワコンかそうでないかによって大きく異なります。
蓄電池と太陽光発電のパワコンが独立している場合、独立して自立運転させることはできますが、メーカーや配電方法によっては、太陽光発電の電気を蓄電池に充電できないことがあります。
また、蓄電池に充電できるケースでも、太陽光発電用パワコンの自立定格出力までしか充電はできません。その場合でも、パワコンの限られた自立出力を蓄電池の充電に割かなくてはならず、家庭用に使用できる電力が減ってしまいます。
一方、ハイブリッドパワコンでは、通常の自立定格出力のほか、蓄電池用の出力が用意されています。この蓄電池用の出力は、自立定格出力と合わせると、太陽光発電からの入力電力のほとんどを利用できるように設定されています。そのため、停電時でも、太陽光パネルで発電した電気のほとんどを利用することが可能です。従って、十分な発電量があれば、自立定格出力までの電力を家庭用として利用しながら、蓄電池にも多くの電力を蓄えることができます。
参考記事:これからはハイブリッド蓄電池!2つの特大メリットと価格や費用対効果を解説
自立運転機能の使い方
とはいえ、いざ停電が起こったとき、自立運転機能の運転方法が分からず、蓄電池や太陽光発電を使えなかったら元も子もありません。そこで、ここでは蓄電池と太陽光発電のそれぞれの自立運転機能の使い方について説明します。
蓄電池の自立運転機能の使い方
蓄電池のパワコンのほとんどには、自立運転の自動切り換え機能があります。
そのため、電力コントローラなどで設定しておけば、停電時でも自動的に自立運転モードに切り替わり、数秒後には電気を使えるようになります。
また、自動切り換えに設定していなくても、ほとんどの蓄電システムでは、停電時でもパワコンや電力コントローラが蓄電池からの電気で自動的に通電し、電力コントローラなどを通して自立運転に切り替えることができます。
いずれの場合も、自立運転時に全てのコンセントが使えるとは限りません。メーカーや配電方法によって、どのコンセントを使用できるかは異なります。
パワコンに付いた自立運転用コンセントのみしか使えない場合もありますし、蓄電池用の分電盤があって、それに自立運転用コンセントが付属していることもあります。
特定負荷型にしておけば、予め決めておいた電気機器だけを動作させることができますし、全負荷型にしておけば、ご家庭の全てのコンセントに電気を供給することが可能です。
太陽光発電の自立運転機能の使い方
一方、太陽光発電システムの多くは、自立運転の自動切り換え機能を備えていません。そのため、取扱説明書を確認しておき、自立運転への切り替え方法を確認しておく必要があります。また、メーカーや配電方法によって異なりますが、おおよそ以下のような手順を踏んで自立運転機能を使用します。
1. 自立運転用コンセントの位置を確認する
2. 主電源ブレーカをオフにする
3. 太陽光発電ブレーカをオフにする
4. 自立運転モードに切り替える(取扱説明書を参照)
5. 自立運転用コンセントに必要な機器を接続して使用する
さらに、停電復旧時には、以下のような手順で自立運転を解除します。
1. 連系運転モードに切り替える(自立運転モードを解除)
2. 太陽光発電ブレーカをオンにする
3. 主電源ブレーカをオンにする
まとめ
いかがでしたでしょうか。
自立運転機能は、停電時のみ必要となる機能ですから、使い方も忘れてしまいがちです。ですが、いざ停電となったときには、これほど頼りになるものはありません。
自立運転機能の使い方を記しておき、分かりやすい場所に置いておくなどして、しっかりと停電に備えていただければと思います。
▼パワコンに関してより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
蓄電池に必須のパワコン!その役割とは?パワコン選びのポイントも解説