蓄電池に必須のパワコン!その役割とは?パワコン選びのポイントも解説

えらぶ家 2020-5-20
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蓄電池に必要となるパワコンですが、様々な機能を備え、蓄電システムで重要な役割を担っていることをご存知でしょうか。

今回の記事では、パワコンの多様な機能を解説すると共に、パワコンを選ぶ際のポイントも説明していきます。ハイブリッドパワコンについても解説しているので、ぜひパワコン選びの参考にしてください。

蓄電池用パワコンの役割

蓄電池用のパワーコンディショナ(パワコン)は、直流の電気と交流の電気を相互に変換する機器です。それは、蓄電池が放電する電気や充電に使う電気が直流である一方、家庭のコンセントから供給されている電気や電気機器が対応している電気が交流であることから必要となります。

電気を直流へ変換する機器がコンバータ、交流へ変換する機器がインバータですので、蓄電池用のパワコンは、充電時にはコンバータ、放電時にはインバータとして動作していることになります。

自立運転機能

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直流と交流の変換のほか、自立運転機能もパワコンの重要な役割です。自立運転機能は、災害などによる停電時でも、蓄電池に貯めた電気や太陽光パネルで発電した電気を家庭の電気として利用できるようにします。

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▼停電時の電力に関して、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
停電時も太陽光発電は使える!蓄電池との有効な併用法も解説

パワコンそのものにコンセントが付いていることもありますし、分電盤を通して家庭のコンセント全てに電気を供給することも可能です。特定負荷用分電盤を設置すれば、予め決めておいた電気機器だけを動作させることもできます。

ですがもちろん、パワコン毎に最大出力電力が決まっていますので、全ての電気機器を同時に使えるとは限りません。その出力電力は、1500~2000W程度が標準ですが、大きいものでは5500Wにも及びます。

システム監視・制御機能

蓄電システム全体の監視や制御もパワコンが担っている役割です。蓄電池の充電量・消費量の表示や、蓄電池の運転モードの設定などは、通常電力量モニタで行います。ですが、実際に、充電量・消費量を計測したり、充放電をコントロールしたりしているのはパワコンです。

ハイブリッドパワコンの役割

蓄電池は太陽光パネルと共に用いることが多いため、太陽光発電用のパワコンと統合したハイブリッドパワコンが蓄電池用のパワコンとして主要なものとなりつつあります。太陽光発電用のパワコンは、太陽光パネルで発電した直流の電気を交流の電気に変換することが主な役割です。ですが、そのインバータとしての機能のほか、系統連系保護機能や集電機能、最大電力点追従(MPPT)機能などがあり、これらの機能をハイブリッドパワコンも備えていることがあります。

系統連系保護機能

太陽光パネルで発電した電気を売る場合、電気を送電線に送ります。このとき、電気は、電圧の高い方から低い方にしか流れないという性質があるので、送電線よりも高い電圧にしてから電気を送る必要があります。しかし、送電線の電圧は、101V±6Vもしくは202V±20Vを超えない範囲と定められているため、これを維持する範囲で電気を送らなければなりません。

そこで必要となるのが系統連系保護機能です。この機能では、送電線の電圧や周波数を監視すると同時に、送電線に送り込む電気を送電線が許容できる範囲の電圧や周波数に変換します。それにより、送電線の電気の状態を維持し、自家だけでなく地域全体の電気系統のトラブルを防止します。

なお、系統連系とは、発電設備を送電線に接続することを言います。

集電機能

一方、集電機能は、多数の太陽光パネルから送らてきた電気を一つにまとめる機能です。この機能がパワコンにない場合、太陽光パネルとパワコンの間に集電箱と呼ばれる機器が必要となります。

ただし、接続できるパネル枚数や太陽光パネルから入力できる電力、変換できる電力には、パワコン毎に上限があります。接続可能なパネル枚数が保有しているパネル枚数より少ない場合にはパネルが余ってしまいますし、入力電力を超えた電力や変換できなかった電力は無駄になってしまうので注意しましょう。

最大電力点追従(MPPT)機能

最大電力点追従(MPPT)機能は、太陽光パネルの電圧や電流を調整することで、発電量を効率的に得られるようにする機能です。日射量は天気や季節、太陽光パネルの設置位置などに左右されますが、太陽光パネルには、日射量の大小により、最も効率的に発電できる電圧と電流の組み合わせが存在します。この電圧と電流を割り出し、調整してくれるのがMPPT機能です。

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トライブリッドパワコン

また、最近では、電気自動車(EV)やPHV用のパワコンも統合したトライブリッドパワコンが市販されています。V2H(Vehicle to Home)スタンドを接続することができ、EVやPHVを太陽光発電や蓄電池から充電することが可能です。もちろん、停電時には、EVやPHVを非常用電源として使うことができます。

パワコンを選ぶ際のポイント

それでは、パワコンを選ぶ際には、どのような点が重要となるのでしょうか。

外部コンバータの必要性の有無

蓄電池用のパワコンの多くは、電圧の調整機能を備えています。ですが、ものによっては、蓄電池とパワコンの間に電圧を調整する外部コンバータを必要とする場合があります。出費が嵩むだけでなく、設置場所も必要となるので、外部コンバータが必要か否かを確認しておきましょう。

自立運転機能の有無

パワコンのほとんどが備え、またパワコンに必須の機能と言えますが、自立運転機能がないパワコンもありますので注意が必要です。

蓄電池の接続数

パワコンによっては、一台に2つ以上の蓄電池を接続できるものがあります。もちろん価格は高くなりますが、後々増設することも可能です。

変換効率

充電時と放電時、それぞれの変換効率は、最近のパワコンでは95.0%が標準的です。電気を効率的に使用するために重要となるので、確認しておきましょう。

価格

パワコン本体のみの相場は、おおよそ以下の通りです。そのほか、設置費用やケーブル等の部材費もかかります。

パワーコンディショナの相場
蓄電池専用パワコン・・・10〜40万円
ハイブリッドパワコン・・・25〜60万円
トライブリッドパワコン・・・100万円程度

保証

パワコンは通常、5~10年のメーカー保証が付いています。パワコンの寿命は10~15年とされていますが、故障のリスクが高い機器ですので、保証はしっかり確認しておきましょう。

運転音

パワコンの運転音は、25~45db程度です。45dbでもエアコンの室外機程度ですが、うるさく感じることもあるので、設置場所には気をつけましょう。

また、ハイブリッドパワコンでは、以下のような点に留意する必要があります。

集電機能の有無

上述したように、パワコンに集電機能がない場合、太陽光パネルとパワコンの間に集電箱が必要ですので、パワコンを選ぶときには確認しましょう。

回路数と接続枚数

一台のパワコンに接続できる太陽光パネル枚数は、上限が決まっています。その枚数は、回路毎に決まっており、パワコンによっては複数の回路を備えていることがあります。つまり、一回路に接続できるパネル枚数が多く、回路数が多いほどたくさんの太陽光パネルを接続できます。太陽光発電の性能を左右するところですので、きちんと確認しておきましょう。

最大入力電力

最大入力電力は、単位時間に受け入れることができる発電量を表します。これを超える電力は無駄になってしまうので注意しましょう。

最大定格出力

最大定格出力は、単位時間に変換できる電力量を表します。つまり、太陽光パネルが発電した電力を、利用できる電力として変換できる能力を指します。通常、最大定格出力は、最大入力電力よりわずかに小さい値となっています。最大定格出力を超える電力は、やはり無駄になってしまいますので、確認しておきましょう。

まとめ

パワコンの重要性を分かっていただけたでしょうか。
蓄電システムのメーカーや製品による違いは、パワコンの機能の違いと言えるでしょう。パワコン選びは、蓄電システム選びとも言えますので、パワコンの性能をしっかりと確認し、蓄電池を選んでいただけたらと思います。

▼蓄電池の設置を検討したらまずは業者選びから始めましょう。こちらの記事も合わせてご覧ください。
蓄電池設置業者の正しい見極め方 失敗しない3つの判断基準とは?

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