停電で水道は止まるの?スマートな水の備蓄方法も紹介
ほとんどの方が、今までに一度や二度は停電を経験したことがあるのではないでしょうか。
停電のときに止まるのは、電気だけではありません。
「電気もつかないし水道も出ない!」とライフラインがすべて断絶されてしまうことがあるので注意が必要です。
水道が使えないとなると、水分の補給はもちろん、料理も難しくなりますし、トイレも流せない風呂も使えない……とかなりの不便を強いられることに。
しかし、すべての家庭が「停電すると必ず水道が止まる」というわけではありません。
一戸建てやマンションなど住宅形態によって異なるので、まだ今の住居で停電を経験していないのであれば、停電リスクについて知っておいて損はないでしょう。
一戸建ての住宅・アパートの場合
一戸建ての住宅やアパートにお住まいなら、停電で水道が止まることはほとんどありません。
なぜなら、5階以下の住宅は「直結直圧方式」によって水が送られているからです。
水を一般家庭に送るには、「直結直圧方式」「受水槽式」「直結増圧方式」の3通りの方法があります。
その中でも「直結直圧方式」は、水圧を利用して家庭に水を引き込む方法。電力で引き込んでいるわけではないため、停電しても水道は止まらないのです。
しかし、まれに「直結直圧方式」の家庭も断水することがあります。それは、浄水場そのものが被災した場合。浄水場には万が一のために自家発電のシステムが整備されていますが、これが故障すると家庭で水道が使えない事態になります。ただ、それほど頻繁に起こるわけではないので、あくまで可能性の一つとして考えておきましょう。
マンションの場合
もしマンションなど高層の建物に住んでいる場合、停電によって水道が止まることは珍しくありません。
マンションの場合、一般家庭のように水圧を利用する「直結直圧方式」は不可能です。なぜなら「直結直圧方式」では水圧が弱いため、上層階まで水を送れないのです。
マンションのすべての部屋に水を引き込むには、電力が必要です。マンションで使われる水の供給方法は、電力によって水圧を増強させた「直結増圧方式」、水をためた受水槽からポンプで各部屋に送る「受水槽式」など。水圧増強もポンプも電力で動いているため、停電によって電気が通らなくなると、結局は断水へとつながってしまうのです。
そのため、停電になったときには「周囲の家庭は問題なく水道が使えているのにこのマンションだけ断水している」という状況になりがちです。つまり、水の供給方法として「電気」を使っているかどうかで、停電時に断水するかどうかが決まるといえるでしょう。
なお、最近では自家発電システムを整備したマンションが少なくありません。お住まいのマンションには自家発電システムがあるのか、それとも直結直圧方式で電力とは無関係なのかなど、一度確認しておくことをおすすめします。
突然の停電にあわてないために
飲料水の備蓄は、1人あたり「1日で3L」が必要とされています。
なにも備えておかないと、突然の停電で1滴の水も飲めなくなるので注意が必要です。
また水がないと、汚れた手を洗うことも、トイレで水を流すことさえ不可能に。普段はあまり意識しませんが、水がなくなると生活が一気に不便になりますね……。
万が一の事態に備え、ペットボトルの水を何本か保管しておきましょう。4人家族であれば、3Lが4人分、それを3日分なので、1.5Lタイプのペットボトルなら24本必要です。
使わなかったときにもったいないと思うかもしれませんが、もし賞味期限が切れてもそのまま備蓄しておきましょう。飲用としての期限は切れていたとしても、トイレの水を流すなど生活用水として使用できます。
また、風呂場にいつも水を張っておくというのも、昔ながらの水の備蓄方法です。使わなかったら、その水をポンプなどで洗濯槽に引き込み、洗濯用の水としても使えます。
一戸建て住宅なら、外水道を活用するのも良いでしょう。大きなジョウロに常に水を溜めておけば、万が一の事態でもある程度の水は確保できます。使わなかったら、そのまま草木にあげて、また溜めておけば良いのです。
停電はいつ起こるかわからないからこそ、日ごろからの心掛けが大事です。
「備えあれば憂いなし」。
備蓄ひとつで命が左右されるかもしれないので、日ごろから水や食料の確保を意識しましょう。
まとめ
一戸建てやアパートなど低層階の住宅なら、停電しても水道が止まるということはほとんどありません。
しかしマンションなど高層階の住宅にお住まいなら、停電すると水道もストップしがちです。お住まいのマンションについて、水の供給方法や自家発電システムの有無などをあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
停電して水道が使えたとしても、電気が止まってしまうと結局は不便な生活であることに変わりありません。
蓄電池があれば、自家発電で電気を使うことができます。
蓄電池を活用して、どのような事態でも電気も水道も使える、安心安全な家を目指しましょう。