災害対策にマンションへ蓄電池を!賃貸と分譲のそれぞれのケースで解説

エココト編集部 2020-7-17

自然災害の頻度が増加しつつある現在、大規模かつ長期間の停電も珍しいものではなくなってきており、マンションやアパートなどの集合住宅の災害に対する脆弱性が問題となっています。

そこで、今回の記事では、集合住宅に太陽光発電と蓄電池を設置することのメリットや必要性、注意点について解説します。賃貸と分譲、それぞれのケースについて説明するので、ぜひ参考にしてください。

賃貸マンションに太陽光発電と蓄電池を設置する

マンションやアパートなどの集合住宅には、屋根や屋上といった日当たりの良い広いスペースがあります。そのスペースは太陽光パネルの設置に適しており、集合住宅に太陽光パネルを設置しているオーナー様も多いのではないでしょうか。

太陽光発電の発電容量が10kW未満

その中でも、太陽光発電の発電容量が10kW未満の場合は、FIT(固定価格買取)期間が10年間ですので、FIT期間終了後の太陽光発電の活用法を考える必要があります。

おてがるでんち

その活用法の一つが蓄電池を導入することです。

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FIT期間を過ぎると、売電価格はそれまでの5分の1以下である7円~9円/kWhになってしまいます。ですが、蓄電池を導入すれば、今まで売電していた電気を蓄電でき、太陽光パネルで発電した電気を余すことなく消費できるようになります。電気料金は、一般的に1kWh当たり20円~30円程度ですので、売電するよりも1kWh当たり10円~20円程度お得です。

また、蓄電池を集合住宅の非常用電源に使うことも可能です。例えば、水道の汲み上げポンプなど、重要な共用設備に太陽光発電と蓄電池の電気を優先的に使用。停電時でも最低限の設備を稼働できるようにすることで、災害に強い集合住宅として付加価値を付けることが可能です。

太陽光発電の発電容量が10kW以上

太陽光発電の発電容量が10kW以上の場合は、FIT(固定価格買取)期間が20年間です。さらに、このケースの場合、発電した電気を全て売電する全量買取のメリットが大きく、あまり蓄電池を導入するメリットはありません。

しかし、2019年の台風被害では、タワーマンションが浸水して長期的な停電と断水が発生しました。この停電と断水は、地下に配電設備を設置していたことが原因でしたが、この事態を受けて災害時でも最低限の設備の稼働が求められるようになっています。
もちろん、分譲マンションと賃貸マンションで違いはありますが、太陽光発電と蓄電池を備えた、災害時でも一定の電力を供給できるマンションは需要も多いのではないでしょうか。

居住者が太陽光発電と蓄電池を設置する

一方、居住者が太陽光発電や蓄電池を設置するには、オーナーの許可が必要です。さらに、通常の太陽光発電や蓄電池を導入する際には、壁に穴を開けたり分電盤の工事をしたりする必要があるため、どうしても設置は難しくなります。

しかし、賃貸マンションの中には、世帯単位に太陽光パネルを設置している太陽光発電対応マンションがあります。これに蓄電池を設置する場合であれば、屋内型や工事不要のスタンドアロン型などを選ぶことで蓄電池を導入することができます。

分譲マンションに太陽光発電と蓄電池を設置する

それでは、分譲マンションに太陽光発電と蓄電池を設置したい場合はどうでしょうか。

既設の分譲マンションに導入する

既設の分譲マンションにお住まいの方が太陽光発電と蓄電池を導入する場合、屋上や屋根、バルコニーなども共用部分となるので、マンションの他の住人の許可が必要です。

太陽光発電と蓄電池の使い方として、共有部分の電気に使う、全世帯分の設備を設置して個別に運用するなどが考えられますが、どちらの場合でもマンションの全戸数の4分の3以上の住人から許可を得る必要があります。それは非常に難しく、マンションの管理組合で議題に出したとしても却下されることが多いようです。しかし、共有部分の電気を賄うための設備だけであれば、全戸数で割ることで費用も小さくなるので、比較的導入がしやすいかもしれません。

ただしもちろん、蓄電池のみであれば、屋内型やスタンドアロン型などを選ぶことで導入は可能です。これに、100W程度のベランダ用太陽光パネルなどを組み合わせれば、最低限ではありますが、災害対策となるのではないでしょうか。

新設の分譲マンションに導入する

新設の分譲マンションに太陽光発電と蓄電池を導入するメリットは非常に高く、太陽光発電と蓄電池によって共有部分の電力を賄うタイプのマンションは少なくありません。

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そのほか、現在では、屋上に各部屋のエリアを確保し、個別に太陽光発電や蓄電池を設置できるようにした分譲マンションも存在します。2019年の台風被害を機に、災害に備えた分譲マンションが求められているようです。

まとめ

いかがでしたしょうか。

マンションやアパートへの太陽光パネルの設置は今や標準的であり、太陽光パネルを備えた集合住宅をあちらこちらで見ることができます。
さらに、最近では、災害に強いことも重要視され、集合住宅への蓄電池の導入も進んでいます。

賃貸マンションやアパートの災害対策にお悩みのオーナー様は、ぜひこれを機に蓄電池の導入をご検討してみてはいかがでしょうか。

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