太陽光発電の発電量は?発電量の算出方法や地域差についても説明!
太陽光発電を活用する際の肝となる発電量。今回の記事では、この太陽光発電の発電量について解説していきます。発電量の算出方法や地域差についても説明しますので、太陽光発電を導入する際には、ぜひ参考にしてください。
太陽光発電の発電量について
太陽光発電システムは、太陽光から電気を生産する設備です。発電された電気は、家庭で利用したり電力会社に売ったりすることができます。そのため、太陽光発電を導入する際には、電気の生産能力である発電容量が重要となります。
太陽光発電の発電容量
家庭用の太陽光発電システムは、数十枚の太陽光パネルから構成されています。太陽光パネルは、1枚当たり100〜300W程度の発電容量を持っており、これらを足し合わせた数値がシステムの発電容量となります。
発電容量の単位
発電容量の単位は、W(ワット)です。この単位は、単位時間(1秒)当たりの電力量を表すものですので、発電容量は、単位時間当たりに発電可能な電力量を示します。
また、ワットは、家電製品の消費電力と同じ単位ですので、1.0kW(1,000W)の発電容量を持つシステムであれば、消費電力1,000Wの電子レンジを太陽光発電のみで稼働できることになります。ただし、本来は、様々な要因から電力が損失し、発電してから消費するまでに25%程度の電力が失われます。
太陽光発電の発電量
さらに、太陽光発電で発電した電気を1日や1月、1年などと期間を指定し、その期間に生産した電力量を示したものが発電量です。
発電量の単位
発電量は、Wh(ワットアワー)という単位で表されます。ワットアワーは、1時間で生産した電力量のことです。例えば、4.0kWの発電容量を持つ太陽光発電であれば、理論的には、30分の発電量は2.0kWhとなり、1時間の発電量は4.0kWhとなります。
太陽光発電の発電量の算出方法
しかしながら、太陽光発電では、十分な日差しが太陽光パネルに当たらなければ、発電容量に示された電力を生産できません。そのため、太陽光パネルの設置傾斜角や方位、また日射量によって発電量は大きく変動します。さらに、太陽光発電で発電した電気は、家庭のコンセントまで、または売電する量をカウントする電力計までに一部失われてしまいます。
そのため、実際に活用できる発電量の算出には、様々な要素を考慮した式が必要となります。そして、例えば、1年間の発電量は、以下のような式でおおよその値が算出できます。
E = A × B × C × 365
E:年間の概算発電量(kWh)
A:1日当たりの年間平均日射量(kWh)
B:損失係数
C:発電容量(kW)
1日当たりの年間平均日射時間
1日当たりの年間平均日射時間は、東京における、設置状態が最良である場合の、太陽光パネルがその発電容量通りの電力を生産可能な年間の平均的な日射量を日数で割ったものです。なお、設置が最良の状態は、太陽光パネルの傾斜角が30°で方位が真南を向いている状態のことを指します。
この値は、太陽光発電協会によると1日当たり3.73となります。
損失係数
損失係数は、太陽光パネルの温度上昇による発電効率の低下やパワーコンディショナによる電力の損失、配線などによる電力の損失を係数として表したものです。太陽光発電協会によると、これらの要因で発電量は、73%程度になると報告されています。つまり、上述した式において損失係数は、0.73となります。
発電量の地域差
日射量は、地域によって大きく異なります。太平洋側では、日射量は大きくなる傾向にあり、日本海側や寒冷地では、日射量は小さくなる傾向にあります。
上述した方法で発電容量1kWの太陽光発電の発電量を求めると、年間の発電量は以下のようになります。
年間の予想発電量(発電容量1kW当たり)
札幌・・・1015kWh
仙台・・・1026kWh
東京・・・994kWh
新潟・・・946kWh
名古屋・・・1122kWh
大津・・・986kWh
大阪・・・1042kWh
広島・・・1111kWh
高知・・・1098kWh
福岡・・・1050kWh
宮崎・・・1162kWh
那覇・・・1071kWh
このように、発電容量1kW当たりの太陽光発電の発電量は、小さいところでは900kWh程度で、大きいところでは1150kWh程度にも達します。
まとめ
太陽光発電の発電量について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
太陽光発電の発電量は、発電容量が大きくなるほど増加しますが、発電容量を増やすことは太陽光パネルを増やすことですので、その分太陽光発電の購入費が高額になります。
従って、太陽光発電を導入する際には、発電量を計算し、電気代の節約額や売電収入がどれくらいになるのかを予め算出しておくと良いでしょう。
また、太陽光発電は、蓄電池と併用することで、より効率的に活用できるようになります。ぜひ、この機会に太陽光発電と蓄電池の導入を考えてみてください。