太陽光パネルのメンテナンスは義務化されている!対策や費用を詳しく解説

えらぶ家 2022-6-15

太陽光発電システムは他の発電設備と比較して部品点数が少なくシンプルな構造です。そのためメンテナンスフリーと考える方もいるのではないでしょうか。しかし実際は、使用頻度や周辺環境、時間経過とともにパネルなどが劣化していきます。

太陽光パネルやシステムのメンテナンスについては2017年から義務化されました。万が一ガイドラインに違反するとFIT認定が取り消されてしまうため注意が必要です、

今回は、太陽光パネルのメンテナンスについて国が定めたガイドラインや具体的なメンテナンス項目、メンテナンス費用まで分かりやすく解説します。

太陽光パネルを含むメンテナンスが義務化

冒頭でも触れたように太陽光パネルやシステムは、突発的な故障だけでなく経年劣化によって発電効率の低下や故障リスクも上がります。そのため、本来メンテナンス義務化に関わらず、定期メンテナンスが必要です。

おてがるでんち

それでは、太陽光パネルのメンテナンスの必要性を理解した上で、義務化に関する内容を見ていきましょう。

おてがるでんち

2017年にメンテナンスが義務化

日本では、2017年4月1日に施行された改正FIT法によって、太陽光パネルや周辺機器のメンテナンスが義務化されました。

ちなみに改正FIT法とは、それまでのFIT制度で問題になっていたガイドラインや、不足していた項目を修正したものです。

また、太陽光パネルなどの義務化に関する資料は、資源エネルギー庁の「改正FIT法」や「事業計画策定ガイドライン」で確認できます。

参考:改正FITとはどのような意味?改正の背景や変更点を解説

メンテナンス義務化の目的

なぜ太陽光パネルや周辺機器のメンテナンスを義務化にしたのかは、大きく分けて2つの目的があるためです。

2つの目的とは、太陽光パネルやシステムの安全性確保と発電性能の保守を達成するためです。太陽光パネルやシステムに何らかの問題が生じれば、個人のトラブルではなく電力会社にも影響を与えます。また、普及促進の妨げにもつながります。

2つの目的を達成するために、改正FIT法ではメンテナンスに関して以下のような義務を加えました。

• 太陽光発電のメンテナンス計画を立てる
• 太陽光パネルやシステムのメンテナンスを計画通り実施できる体制を作っておく
• 計画通りに定期メンテナンスを実施する
• メンテナンスの実施記録の保管

このように、メンテナンス計画から実施後の記録に関する項目まで細かく義務化されているのが特徴です。

点検頻度に関する義務はない

しかし、太陽光パネルやシステムのメンテナンス頻度に関しては、義務化されていません。義務化されていないと、どのタイミングでメンテナンスするべきか分からない方もいるかと思います。

そこでFIT制度では点検頻度の目安や重視するポイントなどを、分かりやすくまとめています。

おてがるでんち

• 太陽光パネル設置1年目のメンテナンス:製造・設置時など初期不良がないかチェック
• 太陽光パネル設置5年目のメンテナンス:設置から5年で劣化や破損の有無や状況をチェック
• 9年目以降は4年に1回メンテナンス:部品交換やメーカー保証の確認、劣化状況のチェック
• 20年目以降も4年に1回メンテナンス:メンテナンス結果に応じて設備自体の交換などの検討

5年目までは、1年目と5年目の2回、9年目以降は4年に1回のメンテナンスが最低限の回数です。しかし近年は地震や台風、酷暑など異常気象による劣化・破損も懸念されるため、できれば毎年メンテナンスすることをおすすめします。

太陽光パネル表面の洗浄については義務化されていない

太陽光パネルの洗浄は義務化されていないので、メンテナンス頻度や実行については個人の裁量に任せられています。ただ、洗浄の頻度を考えるのは難しく、住宅の屋根に登るのは危険ですので専門業者に依頼しましょう。

また、太陽光発電設置業者は、洗浄もメンテナンスパックに含んでいることが多いので、まとめて対応してもらうのがおすすめです。

太陽光パネルやシステムのメンテナンス内容と費用

続いては、太陽光パネルやシステムのメンテナンス内容と、一般的なメンテナンス費用を紹介します。FIT制度では最低限行わなければならないメンテナンス内容を7項目明記しています。

最低限7種類のメンテナンスが必要

改正FIT法で定められているメンテナンス項目は以下の通りです。

• 太陽光パネル
• パワーコンディショナ
• 架台(太陽光パネルを支える台)
• 接続箱・集電箱(接続箱をまとめるための設備、大型設備の場合のみ必要)
• 配線
• 電力量計
• ブレーカー

そしてメンテナンスを行う際は、以下3つの方法を行うよう定めています。
• 目視:目視による異常や汚れのチェック
• 操作:正常に動作するか、扉が開閉できるか、非常時の動作も問題なく行われるかチェック
• 測定:電圧・電流・抵抗などを測定し、漏電や断線、発電に異常が起きていないかチェック

実際のメンテナンスは、電気工事会社や電気工事士など資格を保有している作業員のいる専門業者が対応します。

また、自力でのメンテナンスは屋根からの落下や感電、太陽光パネルに挟まれるなど事故の危険性があるので絶対にやめましょう。また電気工事等は資格保有者でなければ法律違反となりますので、あくまで目視程度にとどめておきましょう。

一般的なメンテナンス費用

太陽光パネルやシステムのメンテナンス費用は、パネル枚数やメーカー、業者によって変わります。

ただ、経産省が公開している目安としては、1回のメンテナンスで2万円(出力10kW未満の場合)程度とされています。

一般的には屋根に登るための足場作りや、不具合・異常発見などによる追加費用も考えられます。実際は少なくとも1回あたり5万円以上と考えて、メンテナンス用の予算を作っておきましょう。

太陽光パネルのメンテナンスを行わない場合のペナルティ

太陽光パネルやシステム、周辺機器のメンテナンスを怠った場合はFIT制度の認定取り消しといったペナルティが課されます。

FIT制度の認定が取り消しとなった場合は、売電中止となる可能性もあるため必ずガイドラインに沿ったメンテナンスを行うようにしましょう。

太陽光パネルのメンテナンス義務化は保守点検を忘れない良い制度といえる

太陽光パネルはシンプルな構造ですので、火力発電などと比較して部品点数が少なく設置しやすい発電システムです。

しかし、経年劣化や破損による発電効率低下・発火、漏電などさまざまな可能性もあるので、メンテナンスも必要です。

さらに2017年の改正FIT法で太陽光パネルを含む7部品・システムは、ガイドラインに沿ったメンテナンスが義務化されました。

太陽光パネルを安全かつ長く使うためには、ガイドラインに沿ったメンテナンスを実施できるよう事前に準備しておきましょう。また、太陽光発電の設置業者が、保証ありのメンテナンスパックを提供していることがほとんどですので確認してみてください。

▼気になる太陽後発電の買取に関してはこちらをご覧ください。
太陽光発電の買取終了とは? FIT制度や制度終了後の運用についても解説

蓄電池をお探しの方へ

おてがるでんちなら業界最安値でご紹介できます。

この記事を書いた人

えらぶ家

よく読まれている記事

関連記事