太陽光発電と蓄電池の特徴、組み合わせるメリットとは?

エココト編集長 2022-6-15
太陽光発電と蓄電池を組み合わせて使うことによるメリットを解説した記事中のイメージ画像です。

昨今日本では、地震や台風など災害による大きな被害が発生しています。対策を自治体任せにしていてはリスク回避できません。そこで最近注目されているのが、再生可能エネルギーを自宅に導入する「エネルギーの自立」です。

特に太陽光発電はコスト面でも導入しやすく、蓄電池と組み合わせられるセットタイプも販売されています。

今回は、太陽光発電が気になる方へ、太陽光発電の仕組みやメリット・デメリット、また蓄電池の特徴を分かりやすく解説します。太陽光発電と蓄電池をセットで使用するメリットについても紹介しますので、セットタイプにもぜひ注目してみてください。

太陽光発電とは

まずは、太陽光発電がどのように発電しているのか、基本的な仕組みや特徴を解説します。

太陽光を電気に変換するシステムの総称

おてがるでんち

太陽光発電とは、太陽光をソーラーパネルで受け取り、電気へ変換する装置(光電効果)のことです。また、ソーラーパネルは直流の電気に変換するのみですので、そのままでは家電製品などへ電源供給できません。

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なぜなら、ほとんどの製品は交流の電気で動作するためです。

そこで太陽光発電は、パワーコンディショナーと呼ばれる変換機器を組み合わせて、住宅設備や家電製品で使用できるように調整しています。

太陽光発電システムで特に重要なポイントは、ソーラーパネルとパワーコンディショナーといえるでしょう。

太陽光発電の構造

太陽光発電に使用されているソーラーパネル(モジュール)は、セルと呼ばれる太陽電池を並べて作られています。そして太陽電池は、電池という名称が付いていますが、電気を蓄えられません。

太陽電池は半導体素子で構成されていて、シリコン系半導体を使用したタイプや化合物系、有機系など、大きく分けて3種類存在します。

また、光を受けた半導体に正孔と電子が発生し、半導体の電極に負荷(モーターなど各種製品)を繋げることで電気を使用できる仕組みです。

多くのメーカーで販売している太陽光発電の発電容量は、太陽電池の数で変わります。ですので、設置できるソーラーパネルの枚数が多い程、発電容量をより多く確保できます。

ちなみに一般的な住宅の屋根に設置する場合、太陽光発電の発電容量は多くても10kW未満でしょう。

家庭用太陽光発電と産業用太陽光発電の違い

続いては、太陽光発電システムの家庭用太陽光発電と、産業用太陽光発電の違いについて分かりやすく解説します。

これから住宅の屋根に設置する予定の方は、前者の家庭用太陽光発電に区分されます。また、自宅以外の土地で始める場合は、産業用太陽光発電に区分されるので違いを理解しておきましょう。

家庭用太陽光発電

家庭用太陽光発電とは、出力10kW未満の太陽光発電のことです。出力10kW未満の太陽光発電は、主に住宅の屋根に敷き詰められるソーラーパネルの面積程です。

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また、FIT制度での取り扱いにも特徴があります。FIT制度とは、再生可能エネルギーの固定買取に関して、細かな取り決めを示した制度です。

簡単に説明すると、一定期間電力会社は、再生可能エネルギーを使用して発電された電気を国が指定した価格で買い取らなければならないという内容です。

そして家庭用太陽光発電には、以下のようなルールを定めています。
固定買取期間は10年間
固定買取価格は、FIT制度の申請年の価格を10年間固定
固定買取価格は毎年改定
売電は、発電後家庭で使用した電気のうち、余った電気のみ(余剰買取)

特に注目すべきポイントは、買取期間と買取方式です。家庭用太陽光発電の場合は、申請年から10年間だけ、電力会社へ固定価格で売電できます。そして太陽光発電で発電した電気のうち、家庭で使用後余った電気のみが売電できる仕組みです。

産業用太陽光発電

産業用太陽光発電は、出力10kW以上の太陽光発電システムを指します。また、出力の他にもFIT制度で定められたルールに関して、違いがあります。

固定買取期間は20年間
固定買取価格は、FIT制度の申請年の価格を20年間固定
固定買取価格は、各出力によって改定方法が異なる
売電は、発電した電気全てを対象(全量買取)

産業用太陽光発電の場合は、固定買取期間20年間と家庭用太陽光発電より10年も長い特徴を持っています。売電できる電気は、太陽光発電で発電した全ての電気ですので、売電収益を得やすいといえるでしょう。

そしてもう1つ産業用太陽光発電ならではの特徴といえるのが、固定買取価格の改定年と設定方法です。

産業用太陽光発電の場合、10kW以上50kW未満・50kW以上250kW未満・250kW以上の3種類で価格が異なります。

そのため産業用太陽光発電に該当する規模の発電事業を始める時は、どの固定買取価格に該当するか注意しましょう。

太陽光発電のメリット

ここからは、家庭用太陽光発電の主なメリットを紹介します。再生可能エネルギーに興味がある方は、具体的なメリットも理解した上で導入を検討してみましょう。

節電効果を期待できる

太陽光発電を自宅に設置することで得られる大きなメリットは、節電効果を期待できることでしょう。

家庭用太陽光発電は、住宅の配線と繋がるので住宅内のコンセントから発電した電気を使用できます。また、発電した電気を使用することで、電力会社からの買電量も減少します。

このように太陽光発電は毎月の電気代を抑えられる仕組みもあるので、光熱費で悩んでいるご家庭にもおすすめです。

余剰買取による売電収益が期待できる

家庭用太陽光発電の場合は、発電した電気のうち余った電気のみ売電できる仕組みです。これを余剰買取と呼び、売電収益を期待できます。

また、売電収益の金額は設置容量と余剰分によって変わるものの、容量5kWで毎月5,000円や9,000円程の収益が見込めます。

産業用太陽光発電より金額は小さいですが、毎月の電気代を抑える上では十分な収入といえるのではないでしょうか。

災害時に非常用電源として活用できる

家庭用太陽光発電システムには、非常時に電力会社へ売電するシステムを停止し、家庭内で全ての電気を使用できる機能も搭載されています。災害時に非常用電源として活用しやすいメリットもあります。

また、日中は発電可能ですので、晴れの日が続けば毎日照明や家電製品へ電源供給、モバイル機器の充電にも利用できます。

たとえば設置容量5kWの太陽光発電では、1時間あたりエアコン・洗濯機・電子レンジを同時に使用できる計算です。

ただし、電子機器などへの電源供給には気を付けましょう。急に発電効率が落ちたり不安定になったりすると、パソコンなどの電子機器はデータ破損といった可能性もあります。

太陽光発電のデメリット

続いては、太陽光発電のデメリットについて紹介します。

初期費用がかかる

家庭用太陽光発電の初期費用は、年々下落傾向のため購入しやすいといえるものの、5kWで150~200万円の本体・設置費用はかかります。

そのため、ローンを組んで設置運用するのが一般的です。初期費用回収までの期間は、おおおよそ10年程度です。しかし、年々固定買取価格は下落傾向のため、後発組であるほど回収期間は伸びると予測できます。

まずは、ローンを組まなければいけない予算か考え、初期費用回収までにどの程度の期間が必要なのかも確認した上で設置を検討しましょう。

固定買取価格の下落傾向も考慮すると、早めの設置も大切です。

安定した発電が難しい

太陽光発電は、晴れの日であれば毎日発電できます。しかし、曇りや雨の日は日射量が減少するので、発電量も下がります。さらに夜間は発電量0です。

常に安定した発電量を保てないのが、太陽光発電の課題でもありデメリットといえるでしょう。しかし、後半で紹介する蓄電池の併用によって、不安定な発電・電源供給を抑えられます。

FIT制度終了後の売電方法

太陽光発電の安定した売電収益を支えているのは、FIT制度です。しかし、FIT制度の適用期間は、申請年から10年間です。

そのため11年目からは、電力会社の裁量によって売電価格や買取の判断も決められます。

2022年時点ではFIT制度終了後も、電力会社が低価格で買取を継続しています。しかし、充分な売電収益とはいえない単価です。

また、FIT制度終了後買取なしという判断も起こり得るので、太陽光発電設置者は11年目以降の運用方法についても考えておきましょう。

たとえば自宅で発電した電気を消費する、自家消費型太陽光発電という考え方もあります。

蓄電池とは

蓄電池は、充電・放電を繰り返すことができる二次電池(充電式電池)です。そして、最近では住宅に設置できて、家電製品などへの電源供給ができるほど蓄電容量の大きいタイプも販売されています。

自宅へ設置するタイプの蓄電池は家庭用蓄電池と呼び、蓄電容量5kWや10kWなど比較的コンパクトな設計です。

初期費用は、100~200万円と家庭用太陽光発電と同等の相場といえるでしょう。そのため、一括払いが厳しい場合は、ローンを組む必要もあります。

家庭用太陽光発電と蓄電池を組み合わせるメリット

最後に家庭用太陽光発電と蓄電池をセットで、設置・運用するメリットを紹介します。

設置工事が1度で完了する

家庭用太陽光発電と蓄電池をセットで購入する大きなメリットは、1度の設置工事で済むことでしょう。

どちらも単に本体を設置するだけでなく、現地調査から始まり設置スペースの確保、基礎工事・架台の設置を行い、本体の設置・固定と配線工事など複数の工程が必要です。

そのため後から蓄電池を設置する場合、設置業者の選定から見積もりの確認と契約、工期の調整など再び手間のかかる作業となります。

蓄電池の設置も検討している場合は、セットで購入することをおすすめします。

売電収益を効率化できる

太陽光発電のデメリットは、発電した電気を蓄えられないことです。そこで蓄電池を設置すると、蓄電容量の上限まで発電した電気を蓄えられるようになります。

つまり、売電と節電どちらも効率よく運用できます。

太陽光発電のみでは電気の蓄電と放電をコントロールできないという課題を、蓄電池がカバーしてくれます。

特に節電効果という点では、効率化を図ることが可能です。たとえば、仕事で自宅にいない日中は、発電した電気を蓄電池で蓄えます。帰宅後の夜間に照明や家電製品を同時に使用するので、その時に蓄電池の電気を活用し買電量を抑えます。

このように、生活リズムに合わせて電気の使用・買電・蓄電をある程度コントロールできるのは、太陽光発電と蓄電池の併用メリットといえるでしょう。

非常時に夜間も電気を使用可能

太陽光発電と蓄電池を併用することで、非常時でも夜間の電源供給が可能となります。具体的には、日中に太陽光発電で発電した電気を蓄電池で蓄え、夜間に照明や一部の家電製品へ供給といった流れです。

また、日中に使用する場合は、発電しながら蓄電池とセットで使用できるため、より安定した電源供給を期待できます。

太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで節電効果を伸ばせる

太陽光発電と蓄電池をセットで購入することは、設置工事やローンの手続きなどを1度で完了させることができます。また、最近では、メーカーや設置業者もセット商品で提供しています。

運用時のメリットは、消費電力の高い時間帯に蓄電池で蓄えた電気を使用できるなど、生活状況に合わせて節電対策を実行できる点です。また、非常時の電源装置としても活用できるので、防災を考えている方にもおすすめです。

災害時は、特に夜間の防犯も気になるところです。対策をしなければ照明が使えないため、周辺の状況を確認できません。

しかし太陽光発電と蓄電池を使用することで、夜間も住宅や玄関の照明を点けることが可能です。

今回の記事を参考に、太陽光発電と蓄電池の導入を検討してみて下さい。

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