住宅の蓄電池も分散型エネルギーシステムの一要素に!蓄電池活用の未来

エココト編集部 2022-6-14

蓄電池の購入時には、製品によりますが、国や地方自治体からの補助金を受けることが可能です。また、最近では、省エネとエネルギーの自産自消を実現したZEH(Net Zero Energy House)と呼ばれる住宅にも補助金が交付されるようになりました。

このような蓄電池などに対する補助金の交付は、蓄電池などの幅広い普及が必要だからこそ実施されており、それは日本の社会をこれからも維持していくために不可欠です。

そこで、今回の記事では、蓄電池を普及させる理由や将来的な蓄電池の活用方法について解説していきます。

なぜ蓄電池を導入するのか

蓄電池は、太陽光発電と共に、環境省や経済産業省などが主導して導入を推進している設備です。

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それは元々、エネルギー資源を輸入に頼っていた日本で、原油価格の高騰や石化燃料の枯渇などに左右されないよう、エネルギー源を多様化することを目的に推進されていました。

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二酸化炭素の排出削減

しかし、東日本大震災後には、多数の原子力発電所が停止。火力発電所の稼働率が上がっていく中で、二酸化炭素の排出削減という役割が大きくなっています。

自然災害に対する対策

また、近年の気候変動による度重なる大規模停電の発生を受け、自然災害に対するレジリエンス(復元力・回復力)の向上も求められるようになりました。

実際、2018年の北海道胆振東部地震や2019年の房総半島(千葉県)台風による大規模停電では、太陽光発電を設置してる家庭の約80~85%が自立運転機能活用。蓄電池を併設している家庭は、停電した全期間に渡って普段通りの生活ができたと報告しています。

参考:経済産業省 太陽光発電設備の自立運転機能の周知について

電力需要の平準化

さらに、蓄電池と太陽光発電には、電力需要の負荷平準化を図る役割が期待されています。

電力会社は、電力需要のピークにあわせて電力を供給する設備を建設しなくてはならず、それは電気料金の上昇につながります。そのため。蓄電池や太陽光発電を活用し、事業者などの電力需要が多い日中や家庭の電気消費が多い朝夕、冷房による電力消費が多い夏季の電力需要を平準化することが求められています。

電力会社も、蓄電池や太陽光発電を電力需要の平準化に活用してくれるように、ピーク電力が低いほど電気料金の基本料金を安くする、深夜の電力量料金を安く設定するなどのインセンティブを与えています。

分散型エネルギーシステムに不可欠な蓄電池

また、蓄電池は、国を挙げて推進している分散型エネルギーシステムへの移行に必要不可欠な設備でもあります。

分散型エネルギーシステムとは、小規模な発電設備を消費地の近くに分散配置して電力の供給を行なうシステムのことです。大規模な発電所のみで電力を供給していた、これまでの集中型エネルギーシステムの脆弱性を受けて、その移行が議論されるようになりました。

この分散型のシステムにとって太陽光発電は主要な電源であり、太陽光発電は気象条件などに発電能力が左右されることから蓄電池が不可欠です。そのため、地方自治体や企業、大手電力会社や中小規模の発電事業者によって大規模な蓄電システムが次々と構築されています。

一般住宅に設置した蓄電池の活用方法

蓄電池の価格低下が進んでいることから、戸建住宅やマンションなどへの蓄電池の設置も増加しています。

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家庭用蓄電池は、単体での運用でも災害対策や電力需要の平準化に役立てることが可能です。災害時の非常用電源として使用できますし、ピークシフトやピークカットなどに用いれば電力需要の平準化に貢献することもできます。電力量料金が安価な深夜に充電して日中などに放電するように設定すれば、電気代の節約にもつながるでしょう。

ですが、蓄電池は、太陽光発電と併用することで、よりその機能を発揮することが可能となります。それはつまり、太陽光パネルで発電した電気を蓄電池に充電して自家の電気として消費することです。

将来的には、家庭に設置した蓄電池と太陽光発電も、分散型エネルギーシステムに貢献できるようになるでしょう。家庭で発電して余った電気を自治体などが設置した大規模な蓄電システムに蓄電。その蓄電した電気を地域内で消費するなど、多様な役立て方があります。

そして、このような地域単位のエネルギーシステムが構築されたなら、災害時のリスクを減少させることができますし、送電ロスの低減にもなります。また、地域のエネルギー関連産業の発展などを通じて地域経済の活性化に貢献することもできるでしょう。

参考:経済産業省_分散型エネルギーについて

まとめ

いかがでしたでしょうか。
蓄電池を普及させる理由や将来的な太陽光発電や蓄電池の活用方法について解説しました。

もちろん、現状では、太陽光パネルで発電した電気は、自家消費するよりも売電した方が得であるご家庭もあるでしょう。
しかし、今からFIT認定を受けるご家庭では、2022年度の売電価格が17円/kWh、2023年度の売電価格が16円/kWhですので、自家消費した方がお得となります。また、すでにFIT期間を満了した、これから満了するご家庭では、売電価格は7~10円/kWh程度となってしまいますので、太陽光発電を活用するには蓄電池が必要不可欠となります。

蓄電池は、太陽光発電を導入しているご家庭では、いずれ必要となる設備ですので、これを機に導入をご検討してみてはいかがでしょうか。

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