家庭用蓄電池のメリットやデメリット!補助金制度や価格、設置方法も紹介

エココト編集長 2022-6-24

電気を蓄えてくれる家庭用蓄電池。家庭用太陽光発電システムを導入しているご家庭の中には、卒FITの時期が近付き、電気代削減目的で導入を検討しているところも多いのではないでしょうか。
しかし、家庭用蓄電池を初めて導入検討する方にとっては、どのような特徴やメリットがあるのかいまいち分かりづらく、ためらっている方も少なくないでしょう。
家庭用蓄電池といえば高額というイメージがあると思いますが、最近の家庭用蓄電池は、容量5kWhで60万円前後から設置できるケースもあり、以前よりは低コストで導入できるようになっています。それでももちろん安くはないですが、その後の継続的なメリットを考えると、投資効果は十分にあると言えます。
今回は、そのあたりについて詳しく解説しようと思います。

FIT制度の終了が近づいている方や上手に節電したい方向けに、家庭用蓄電池の特徴やメリット・デメリット、補助金制度の有無や設置費用について分かりやすく解説しますので、導入検討の参考にしていただけると幸いです。

家庭用蓄電池とは

家庭用蓄電池とは一体どのようなシステムなのか、まずは基本からおさらいしましょう。

家庭用蓄電池は住宅に設置できる充電式電池のこと

そもそも蓄電池とは、充電式電池(二次電池)のことです。また、家庭用蓄電池と呼ばれる製品の場合は、一般的に家庭用太陽光発電システムとも連携できるタイプを指します。
最近では、IoTの浸透やZEH住宅(消費エネルギー0を目指す住宅システム)の普及促進などによって、家庭用太陽光発電のサブ(補助的)システムといったイメージから、主力システムとして注目されつつあります。

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ちなみに、ネットショップなどで購入できる移動式小型蓄電池、これも家庭用蓄電池として分類されますが、こちらは容量が小さく、スマホなど小型端末の充電といった限定的な用途に限られますので、ここでは説明を省きます。

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蓄電池の種類

蓄電池は、大まかに以下のような種類に分類されています。

  • リチウムイオン電池:家庭用蓄電池に採用されている方式
  • 鉛蓄電池:最初に開発された方式で取り扱いには注意が必要。現在は自動車に使用されている。
  • ニッケル水素電池:安定した充放電能力がある新しい方式。しかし電力がいくらか残っている状態で充電してしまうと上限容量が減ってしまう。(メモリー効果)
  • ニッカド電池:ニッカド水素電池と同様のメモリー効果があり、人体に有害な成分を使用しているため現在では使用例は少ない傾向。
  • NAS電池:日本が開発した蓄電池。小型・高効率と次世代の主力蓄電池として期待されている。

太陽光発電システムなどにも用いられる家庭用蓄電池は、リチウムイオン電池で充放電を行っています。リチウムイオン電池は、ニッカド電池などよりも約3倍程度の電圧の充電能力があるだけなく、安定して動作することから多く採用されています。スマホの電池としても使われていますね。

家庭用蓄電池の導入方

続いて、家庭用蓄電池の一般的な導入方法を簡単にご紹介します。

専門の施工業者もしくは工務店へ依頼

家庭用蓄電池を設置するにあたっては、太陽光発電設置業者などの中でも蓄電池の施工に特化・対応している業者へ依頼します。

まずは現地調査と見積もり作業から行い、どの家庭用蓄電池を購入・設置するか、容量や設置計画など、詳細な見積もり・計画を作成してもらいます。納得できれば契約となり、実際に施工が始まります。

設置作業そのものは、一般住宅の場合1日~2日程度で完了します。そして、電力会社との連係(送配電に関する手続きや準備)なども行ってから引き渡し、という流れになります。

家庭用蓄電池の相場

家庭用蓄電池は、本体価格と設置工事費用の2種類の費用で構成されています。

購入・設置費用の相場は、以下の通りです。

(容量約5kWhで想定)

  • 本体価格:50万円前後
  • 施工費用:30万円前後
  • 合計:100万円前後

各メーカーによって製品価格は上下しますし、設置業者によっても本体・設置費用は変わります。ですので、のちほど詳しく解説しますが、複数業者を比較できる相見積もりのサービスを利用することが、コストや施工実績のある業者探しという点でおすすめです。

家庭用蓄電池の補助金制度

2022年時点で、家庭用蓄電池に関する補助金制度は、国でも行われていますが、人気のためすぐに予算満了になってしまいました。予算追加により7月5日より公募再開となりますが、それとともに自治体によっては独自に継続・新規補助金制度を運営していますので、お住まいの地域の情報を確認してみましょう。「自治体名 家庭用蓄電池 補助金」で検索し、各自治体のWebサイトから確認できます。

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受付期間を過ぎていますが、東京都葛飾区の「かつしかエコ助成金」の場合、対象となる経費の4分の1、上限20万円まで支給されます。葛飾区内在住で、指定された家庭用蓄電池の設置が条件となります。うまく活用すれば大きなメリットになりますね。

家庭用蓄電池のメリット

家庭用蓄電池のメリットは、節電だけではありません。家庭用蓄電池を住宅に設置するメリットをいくつかご紹介しましょう。

非常時の電源として活用できる

非常時の電源といえば太陽光発電システムですが、家庭用蓄電池と組み合わせることで、より効率的に電気を使えるようになります。

太陽光発電システムは、日光さえあれば発電してくれます。しかし充電できないため、発電した電気はその場で消費しなければ利用できません。

家庭用蓄電池を設置することで、太陽光発電システムで発電した電気を蓄えられるようになり、非常時でも夜間や雨の日に電気を使用できるようになります。

夜間など電力使用量の多い時間帯の電気代削減

家庭用蓄電池は、電気代削減効果も期待できます。

こちらも太陽光発電システムとの併用になりますが、日中に自家発電した電気を蓄えておき、給湯器やドライヤー・照明など、電気使用料の増える夜間に貯めた電気を使用することで、節電効果を得られます。

一般的なご家庭、一般的な電気使用量で試算しますと、

  • 東京電力、従量電灯B、太陽光発電5kWと家庭用蓄電池5kWh
  • 1日の電力使用量:400kWh
  • A数:40A

とした場合、1ヶ月の電気料金は、

400kWh × 30.57(1kWhの単価)+1,144(40Aの固定料金)=13,372円

となります。

蓄電池の削減額は、天候や発電効率、その他もろもろの条件により変化するため正確なことは言えませんが、一般的に5,000〜7,000円前後の減額効果があるとされています。

家庭用蓄電池で節電効果を高めるには、1日の間に最も電力使用量の多い時間帯に蓄えた電気を使用することです。事前に1ヶ月・1日の電力使用に関する数値を調べておくことも大切です。(家庭用太陽光発電システムで対応可能)

自家消費型太陽光発電との相性が良い

家庭用太陽光発電システムの固定買取期間は、10年間と定められています。固定買取価格制度は2009年にスタートしているので、2009年に太陽光発電システムを導入したご家庭であれば既に制度対象外となっています。

固定買取価格制度の対象外ということは、売電収益が下がり、かつ不安定になりますし、状況によっては売電できない可能性もあるでしょう。

そこで、自宅の節電にシフトする太陽光発電が注目されていて、家庭用蓄電池を導入することで、さらに節電効果を高めることができます。なぜなら、上で説明した通り、発電した電気を任意のタイミングで使用できるようになるからです。

固定買取価格制度についてはこちらの記事でくわしく解説しています。

家庭用蓄電池のデメリット

家庭用蓄電池には、デメリットもいくつかも存在します。

設置・維持コストが発生する

家庭用蓄電池は年々設置コストが下がっているものの、それでも1台あたり50万円以上の予算が必要になります。

太陽光発電システムや住宅1棟と比較すれば低コストですが、一般的には手軽に導入できる価格とはいいきれない部分もあります。

また、家庭用蓄電池はメンテナンスフリーではありません。太陽光発電システムと同じく施工業者のオプションプラン、もしくはメーカー保証などで点検や交換なども必要になります。維持コストについても予め検討しておく必要があります。

補助金制度が自治体によって異なる

自治体による補助金制度はそれぞれの自治体によって補助金制度の有無・金額・条件に違いがあり、負担の度合いも変わります。

補助金制度を利用しなければ厳しい場合は、再度相見積もりを行い、より設置コストを抑えられる施工業者がないか調べてみましょう。

家庭用蓄電池は節電効果を高められる優れたシステム

家庭用蓄電池は、単に電気を蓄えられるシステムではありません。太陽光発電と組み合わせることによって、発電した電気を蓄え、電力使用量の多い時間帯に使用して電気代を節約できます。また、家庭用蓄電池単体でも買電分の電気を電気料金の安い時間帯に蓄え、電力使用量の多い時間帯に使用することでピークカットも可能です。

ただし、手軽に導入できる設置費用とは言い切れませんし、信頼できる施工業者へ依頼しなければ、後から無駄な修理費用を捻出することにもなりかねません。

そうした無駄・リスクを抑えるためにも、相見積もりのサービスを利用して、スピーディかつ手軽に商品や優良業者を比較・検討することをおすすめします。

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