太陽光発電は今後どのようになる?将来性や設置メリットを解説
太陽光発電の設置を検討している方の中には、売電価格の下落の情報等から今後どうなるのか不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。太陽光発電の売電価格の下落は事実ですし、今後も必ず売電できるかどうかはっきりとは言えない状況です。
しかし、少なくとも2022年時点で引き続きFIT制度は運用されていますし、制度に関係なく発電、売電は可能です。
太陽光発電の今後を知るためには、何が課題か、まずはそこから把握する必要がありそうです。
今回の記事では、太陽光発電の購入・設置を検討中、あるいは情報収集中のあなたへ、太陽光発電の今後や将来性について解説します。また、太陽光発電の設置メリットが今後も続くのか、といった点も解説していきます。
太陽光発電は今後どうなるのか現状から考察
まずは、太陽光発電は今後どうなっていくのか、現状から考察・解説していきます。
FIT制度の固定買取価格が下落傾向
太陽光発電の売電価格は、2022年時点でも下落傾向が続いてます。また、今後も少しずつ下落、もしくは横ばい傾向が続くと考えられます。
▼太陽光発電の買取に関してまだ正確な情報がつかめていない方は、こちらの記事からご覧ください。
太陽光発電の買取終了とは? FIT制度や制度終了後の運用についても解説
そもそも太陽光発電の売電は、FIT制度によって支えらえれています。FIT制度とは、再生可能エネルギー設置から一定期間、電力会社が余った電力を買い取る義務を定めた制度のことです。売電価格はFIT適用期間中ずっと固定となります。
FIT制度で定められたこの売電価格を固定買取価格と呼びます。
固定買取価格は1年に1度、政府が改定・再設定する仕組みです。たとえば2022年にFIT制度の申請をした場合、2022年に設定された固定買取価格が期間中ずっと適用されます。太陽光発電の場合、申請年から10年間あるいは20年間固定買取価格で売電が可能です。
買い取り価格の下落と言う場合、それは年ごとに設定される買い取り価格のことです。2022年に申請した場合、その後10年間の売電価格は固定で、これが下がることはありません。
FIT制度発足当初の2012年度、固定買取価格は10kW未満で40円/1kWでした。しかし、2022年度は17円/kWh、2023年度は16円/kWhと、半額以下まで下落しています。そのため売電収益での初期費用の回収が、少しずつ難しい状況となっています。
この下落傾向は2012年から毎年続いているため、今後も同じ方向で調整されると考えられます。FIT制度、固定買取価格のことを考えるなら、蓄電池は早く設置するほどお得になると言えるでしょう。
制度の仕組み上どの設置者も必ず卒FITになる
太陽光発電の今後について、「卒FITで売電できなくなる」という内容を見聞きした方もいるのではないでしょうか。
卒FITとはFIT制度の固定買取適用期間10年間もしくは20年間が終了・満期となることを指します。
つまり、よく勘違いされますが、卒FIT=FIT制度終了ではありません。
2022年現在、FIT制度が終了するというアナウンスもありませんし、今後も継続される予定です。また、そもそもFIT制度を利用している全ての方は、制度上必ず卒FITとなるので、おおげさに不安を煽る内容などに惑わされる必要はありません。
さらに、FIT制度で定められた売電価格よりも低い水準ですが、今のところ卒FITになってからも引き続き売電は可能です。
太陽光発電の今後について考える上での問題点は、卒FIT後の売電価格下落でしょう。
2022年の固定買取価格は10k未満で17円/kWhですが、卒FIT後の売電価格は6~10円/kWhといった水準です。
売電収入目的で運用するには、少し厳しい設定です。しかし、まだまだ太陽光発電設置のメリットや将来性はありますので、次の項でそれを解説します。
太陽光発電は将来性のある発電システムか
続いては、太陽光発電の今後を考える上で重要な、将来性のある発電システムなのかという点を解説します。
電気代削減効果を得られる
太陽光発電の今後を考える上で、電気代削減効果は外せません。太陽光発電の設置メリットでもありますが、発電した電気を自宅・自社で消費できるため、買電量を抑えることが可能です。
つまり、100kWhの発電・自家消費によって、100kWh分の電気代削減効果を見込めるということです。
自家消費についてはFIT制度とは関係ありませんので、今後も各種制度の影響を受けることなく活用できます。また、ZEH住宅などと組み合わせることで、年間の電気代を限りなく0円に近い水準にまで引き下げることも可能です。
太陽光発電は、今後も生活を支えるシステムとして活用できる、優れたシステムであると言えるでしょう。
非常時に電力を得られる
太陽光発電は単に稼ぐためのシステムというわけではありません。時に非常時の支えにもなる、緊急用のインフラ設備としても役に立ちます。
太陽光発電は停電時に送電方法を自動的に切り替え、非常用電源として活用できるようになります。出力にもよりますが、冷蔵庫やIHクッキングヒーター、電気ポットなどを稼働可能です。
日本は地震大国なだけでなく、近年台風や豪雨被害も頻発しています。また、自治体の支援や復旧スピードにも限界があるので、災害発生から1週間や1ヶ月以上停電となる可能性もあります。
これからは自力でのエネルギー確保も考える必要があります。非常時の生活も考えた場合、今後も太陽光発電は需要のあるシステムといえるでしょう。
太陽光発電を今後も活用していくためには
今後も太陽光発電を活用していくためには、売電収益のみに頼らない運用方法も考える必要があります。
FIT制度の適用期間終了後も売電は可能ですが、単価は非常に安くなります。また、卒FIT後の電力買取に関しては、電力会社に買取義務はありません。
つまり、今後も売電が必ずしもできるとは限らない、と言えるでしょう。
太陽光発電は、利益を得るためのシステムではなく、非常時の生活を支えるインフラ・電気代を削減してくれる装置として考えることをおすすめします。
FIT終了後は売電を行わず、自家消費型太陽光発電への移行を検討してみてはいかがでしょう。
太陽光発電の今後は自家消費型も見据えた運用が大切
太陽光発電は、今後もしばらく売電できますし、FIT制度も継続されます。しかし、20年・40年と売電できるかどうかは分かりません。
なぜなら、電力買取に伴うコストを国民と電力会社が負担しているものの、年々負担増となっているからです。
また、太陽光発電の設置台数が増えるほど、上記の傾向は強まります。
売電に頼らない太陽光発電をぜひ検討してみてください。代表的な運用方法は、自家消費型太陽光発電です。蓄電池と併用することで、晴れの日に発電した電気を夜間や雨の日も使えます。買電量を抑えて、電気代の節約が可能です。