蓄電池の工事費 工事内容ごとに適正価格を解説!

エココト編集長 2022-6-15

蓄電池を導入する際には、蓄電システムの購入費に加えて、工事費用が別途掛かります。蓄電システムの価格ばかりを気にして、工事費用にはついて考えていない方も見受けられます。しかし工事費用の相場は15~40万円と決して安いものではありません。見積もりを取ったとして、その価格が本当に適正かどうかも確認したいところです。

そこで、今回の記事では、蓄電池の設置工事について説明するとともに、工事費について詳しく解説します。工事費の内訳や見積もりを確認するときの注意点についても触れていますので、蓄電池選びや設置業者選びの参考にしてください。

蓄電池設置工事の流れ

蓄電池の設置工事は、蓄電池が屋外型か屋内型か、床置き型か壁掛け型かによって変わります。また、太陽光発電システムの配置や分電盤の位置など、設置する家屋の環境にも左右されるものです。

そのため、工事の期間は、半日で済む場合もあれば、2~3日ほど必要な場合もあります。ですが、工事の流れとしては、おおよそ以下の段取りに従って行われます。

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1. 現地調査
2. 基礎工事
3. 蓄電池とパワーコンディショナの設置
4. 電気・配線工事
5. 動作確認

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現地調査

通常、蓄電池の設置前に現地調査を実施します。

屋外に設置する場合は、直射日光が当たらない、熱がこもらないなど、蓄電池の設置条件に合ったスペースがあるかを確認します。屋内に設置する場合でも、設置場所の床面の強度などをチェックします。

そのほか、周辺機器の設置場所を確認するとともに、それらの周辺機器や分電盤、太陽光発電設備との配線経路を決定します。このとき、機器の設置場所や配線経路を記載した図面を作成することがあります。

基礎工事

屋外型かつ床置き型の蓄電池を設置する場合、強度や水平性を確保するため、土台としてコンクリート基礎を打つことがあります。この基礎工事は、蓄電池の高さを確保し、浸水や水没を避けることも目的としています。コンクリートは、固まるまでに数日程度の時間を要するため、蓄電池などの設置は時間を置いて実施します。

簡易基礎で済む蓄電池も多くあります。簡易基礎は、コンクリートブロックを敷設したりすることで基礎とするものですが、この場合、コンクリートの乾燥期間が不要なため、一日で工事を終わらせることができます。

蓄電池とパワーコンディショナの設置

屋外型かつ床置き型の蓄電池は、ボルトを打ったコンクリートの土台にしっかりと固定します。一方、壁掛け型の蓄電池では、外壁に穴を空けるなどして固定します。壁に穴を空けたくないときは、架台(機器を設置する金属製の台)などの作製が必要です。

屋内型の蓄電池でも、床の補強工事などを必要とする場合がありますし、転倒を防ぐため、蓄電池を金具等で床や壁に固定します。

パワーコンディショナ(パワコン)にも、屋外型と屋内型があります。ですが、パワコンは、10~30kg程度と蓄電池ほどの重量はありませんので、壁掛け型が多いです。壁掛け型の蓄電池と同様の設置工事を必要とします。

電気・配線工事

蓄電池とパワコン、パワコンと分電盤や電力制御・監視モニタの間などへの配線工事を行います。太陽光発電設備があるご家庭では、それらとの配線や設定が必要となりますし、HEMSを導入しているご家庭では、HEMSコントローラとの配線や無線接続の設定などが必要です。

動作確認

蓄電池や周辺機器が正常に動作するか確認します。蓄電池の充放電モードや最小蓄電残量などの設定を行い、蓄電池の充放電が正常にできるかをチェックします。ブレーカーを落とすなどし、停電時の動作も確認します。

以上、正常に動作することが確認できれば工事は終了です。

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工事費用の内訳

このように、蓄電池の工事は、製品や設置環境によって大きく異なります。そのため、工事費用もケースバイケースで、適正価格をはっきりと述べることは難しいです。

また、蓄電池の設置業者により、見積もりで提示される工事費用の表示方法も異なります。工事費としてまとめて提示されることもありますし、設置工事費と電気工事費に分けて算出していることもあります。詳細に表示してくれる業者では、土台の材料などの部材費を分けて表示していることもあります。

ここでは、設置工事費と電気工事費、工事部材費に分けた場合の相場について説明します。

設置工事費

設置工事費の相場は、10~20万円程度です。

設置工事費には、事前の現地調査や基礎工事、蓄電池の運搬、蓄電池やパワコンの据付けなどの費用が含まれていると考えられます。その場合、基礎工事の有無によって費用は倍程度異なってきます。

一般的に、工事設計労務単価(作業員を丸一日拘束する単価)は、2~3万円程度です。それに雇用に伴う必要経費を足した3~4万円程度が、作業員に丸一日工事してもらう金額となります。

基礎工事では、2~3人程度が半日程度作業しますから、それだけで3~6万円ほどとなります。さらに、工事に用いる機械の経費なども加算しますので、最低でも5~8万円程度は掛かります。

また、蓄電池やパワコンの運搬や据付け作業は、すぐに完了することもありますが、壁掛け型の据付けには半日程度の時間を要する場合があります。その結果、基礎工事と併せると、10~16万円程度の費用が掛かることになります。

そのほか、現地調査費や出張費などが加算されることで、10~20万円程度になっていると考えられます。

参考:国土交通省:新労務単価について

電気工事費

電気工事費の相場は、5~20万円程度です。

電気工事については、通常2~3人程度が半日程度作業します。そのため、3~6万円程度の費用は最低でも掛かります。これに、電気工事に必要な機械の経費や、配線図面の作成費用なども加わることがあり、その結果として7~10万円程度となります。

そのほか、太陽光発電設備との接続などから、作業時間が丸一日程度となることもあるでしょう。その場合、電気工事費だけで、12~18万円程度の費用が発生します。

工事部材費

工事部材費は、基礎工事の材料や架台、壁掛けに必要な金具などの費用です。ケーブルやセンサ、特定負荷用分電盤などは含みません。

基礎工事の材料費や壁掛けに必要な金具などは、高いものではなく、全部合わせても1~2万円程度です。しかし、架台の作製が必要で、かつ特注品を必要とする場合、10万円程度になることも少なくありません。

工事費用の相場は?

以上の費用を合わせた15~40万円程度が蓄電池設置の工事費用の相場です。ですが、特殊な架台などを必要とする場合、50万円程度になることもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
このように、蓄電池設置の工事費は、導入する蓄電システムや設置環境に大きく左右されます。その費用は、特殊な状況ではありますが、50万円に達することもあります。そのため、工事費が比較的安い屋内型の蓄電池を選ぶのも一つの手です。
しかし、工事費の内訳をきちんと表示せず、費用が適正か判断できない分かりにくい見積もりを提示してくる業者もあります。複数の業者の見積もりを取る相見積もりなどにより、しっかりと確認するようにしましょう。

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エココト編集長

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