ご家庭でできる蓄電池の点検方法をご紹介!停電時動作の点検方法も解説

エココト編集長 2020-6-5
過程でできる蓄電池の点検方法について記された記事のイメージ画像です。

太陽光発電は、最低4年に1回、保守点検を行うことが義務化されています。点検費用は数万円と言われており、点検を実施しない場合、FIT認定の取り消しもあり得ます。

一方、家庭用蓄電池には点検義務はありません。ですが、なるべく長く使用し続けるため、数ヶ月に1回程度はご家庭での点検が必要となります。

そこで、今回の記事では、蓄電システムの点検方法を解説します。停電時動作の点検方法もご紹介しますので、参考にしてください。

蓄電システムの点検方法

蓄電システムは、蓄電池本体やパワーコンディショナ(パワコン)、DC/DCコンバータ、電力制御・監視モニタなどの多数の機器から構成されます。これらの機器の中でも、蓄電池本体とパワコン、DC/DCコンバータについては、1~3ヶ月に1回程度、各ご家庭で点検することが推奨されています。

蓄電池の点検方法

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定期点検が法令で定められている鉛蓄電池とは異なり、リチウムイオン電池を使用しているほとんどの家庭用蓄電池には、点検義務はありません。ですが、リチウムイオン電池は、ノートパソコンで頻発する発火事故から理解されるように、熱に弱く高温となることを可能な限り避けることが求められます。そのため、蓄電池メーカーの多くは、蓄電池に熱がこもらないよう、定期的に吸排気口を点検したり、フィルターを掃除したりすることを勧めています。

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蓄電池の状態を確認

その点検方法として、まず、蓄電池の状態を知らせる情報ランプなどが搭載されていればチェックします。取扱説明書を確認し、蓄電池が正常に動作しているか確認します。異常発熱していないか、異音や異臭などがないかも確認し、異常があればお買い上げの販売店に連絡してください。

蓄電池周辺のスペースを確認

次に、蓄電池の周辺に一定のスペースが確保されているかを確認します。雑草が生えていれば取り除き、空気の流れを遮断するような物などは移動します。

蓄電池の給排気口を確認

続いて、蓄電池の側面や背面にある給排気口にホコリなどの異物が付いていないか確認します。ゴミが詰まっているようでしたら、掃除機などで取り除きます。給排気口のカバーを取り外せるものは、システムの運転を停止した後、カバーを外してフィルターをチェック。掃除機などでフィルターのゴミを取り除きます。製品によっては、フィルター自体も取り外すことが可能で、フィルターを水洗いできるものがあります。

ただし、点検やお手入れの方法は、製品によって異なります。取扱説明書をよく確認し、許可されている場合に限り実施してください。

パワーコンディショナやDC/DCコンバータの点検方法

パワコンやDC/DCコンバータの点検方法として、まず、情報ランプを確認し、機器が正常に動作しているか確認します。異音や異臭、配線に傷がないかなどもチェックします。

次は、通風口や放熱孔などを確認します。パワコンやDC/DCコンバータには、インバータやコンバータなどの電気回路、さらには機器を制御・監視するためのマイコン(小さなコンピュータ)が搭載されており、これらは発熱します。通風口や放熱孔に目詰まりがあれば、空気が正常に循環するよう、異物を取り除きます。

なお、機器に触れる必要がある場合は、安全のためシステムの運転を停止してください。また、お手入れは、取扱説明書に従って実施し、記述以上の対処が必要な場合は、販売店に連絡してください。

メーカー保証の満了時期に点検が必要なことも

以上で解説した点検・保守は、各ご家庭で行えるものです。ですが、蓄電池の使用期間が、メーカー保証の満了時期である10〜15年に近い時期になったとき、メーカーや販売店などの点検が必要となる場合があります。

停電時動作の点検方法

蓄電池は、主に太陽光発電で発電した電気の自家消費を目的に導入します。ですが、非常用電源としての役割も大きく、停電時に正常に動作するかも確認しておきたいところです。蓄電池の設置時に確認することではありますが、設置から数年使用し続けているご家庭向けに停電時動作の点検方法をご紹介します。

停電時動作を点検する前に、蓄電池からの電気の供給方式を確認しておく必要があります。全負荷型であれば、停電時でもご家庭の全てのコンセントへ電気が供給されますが、特定負荷型の場合、一部のコンセント以外には電気は供給されません。停電時でも使用できるコンセントを予め確認しておきましょう。

蓄電池のみの停電時動作を点検

まず、蓄電池のみを保有している場合の停電時動作を確認します。

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故障の危険性がある電化製品のコンセントを外した上で、ブレーカーを落とし、擬似的な停電を発生させます。通常は、数秒後に蓄電池からの電気に自動で切り替わります。ですが、製品や設定により、手動で切り替える必要がある場合もあります。また、このとき、同時に使用できる電化製品を確認しておくのも良いでしょう。

太陽光発電と併用する場合の停電時動作を点検

次は、太陽光発電と併用する場合の停電時動作を確認します。

可能であれば、以下の3つの場合について点検しましょう。

・太陽光発電だけで電気の全てを賄えるケース
・太陽光発電の発電量が少なく両方のシステムから電気を供給するケース
・太陽光発電の発電量がゼロで蓄電池のみから電気を供給するケース

太陽光発電から電気の全てを供給

このケースでは、太陽光発電から家庭に電気が供給されると共に、発電した電気が蓄電池に充電されます。

十分な発電量がある日中にブレーカーを落とし、擬似的な停電を起こします。電化製品が使用できるかを確認すると同時に、蓄電池へ充電されているかを電力モニタなどを通してチェックしましょう。

太陽光発電の発電量が少なく両方のシステムから電気を供給

このケースでは、太陽光発電から家庭に電気が供給されると同時に、蓄電池も放電状態にあります。

発電量が少ない夕方などにブレーカーを落として確認します。電化製品が動作しているかをチェックすると共に、電力モニタなどから太陽光発電と蓄電池の双方から電気が供給されているか確認しましょう。

太陽光発電の発電量がゼロで蓄電池のみから電気を供給

このケースでは、蓄電池のみから家庭に電気が供給されます。

太陽光発電の発電量がない夜間などにブレーカーを落とし、停電時動作を確認します。電化製品が使用できるかをチェックしましょう。また、このとき、蓄電池のみで一度に使用できる電化製品を確認しておくのも良いかも知れません。

ただし、以上は、太陽光発電と蓄電池からの電気を一体的に運用できるケースであり、全ての場合に当てはまるわけではありません。太陽光発電で発電した電気は、パワコンの自立運転用コンセントのみからしか使えない場合もありますし、太陽光発電用と蓄電池用とで停電時に使用できるコンセントが分かれている場合もあります。製品の組み合わせや配線などで異なりますので、取扱説明書をしっかり確認し、安全を確保した上で点検しましょう。

まとめ

蓄電システムの点検方法と停電時動作の点検方法をご紹介しました。
蓄電池は高額な製品であり、長く使い続けたいものです。安全性を確保するためにも、定期的な点検を心掛けましょう。
また、蓄電池は停電時こそ重要な機器であり、そのときにこそきちんと動いて欲しいものです。この記事で、停電時動作の確認方法を解説しましたが、難しいと感じたり安全性の確保が気になる方は、販売店にお願いするのも良いかも知れません。

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エココト編集長

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