蓄電池が充放電できる仕組みって?システムの電源供給の方法や寿命も解説

えらぶ家 2020-7-7
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「万が一」への備えとして、東日本大震災を機に注目を浴びている蓄電池。

電力会社が被災してしまうと、家庭の電力が復旧するまでにかなりの時間がかかることもあり、家庭内での発電、発電した電気を効率よく使い切るための蓄電池の効用が見直されました。

蓄電池とは、充電と放電により繰り返し電気を使用できるシステムのこと。
家庭では蓄電池と太陽光パネルをセットで設置するのが一般的で、電力会社に頼らない新しい供給の形として定着しつつあります。

では蓄電池は、どのような仕組みで電力を供給するのでしょうか?
充放電の仕組みから、家庭用蓄電池システムの仕組み、寿命までを詳しく解説します。

蓄電池の充放電の仕組み

おてがるでんち

蓄電池には様々な種類がありますが、基本的には「プラス極」「マイナス極」の働きによって電流を生みます。

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硫酸などの電解液の中に、プラス極とマイナス極になる金属を入れると電流が発生。ここでポイントになるのが「イオン」の存在です。イオンは+(プラス)の性質を持つので、プラス極だとイオンが溶けにくく、マイナス極では溶けやすくなります。
プラス極とマイナス極のそれぞれに金属を設置することで、イオンとくっついていたマイナスの性質を持つ電子が、プラス極へと流れます。

電子がプラス極へ向かって移動するときに生まれるのが、電流です。この電流こそが、電気エネルギーとして利用できるもの。電気の利用中には、蓄電池の電解液の中に、マイナス極の金属がどんどん溶けだしています。電気を使い切ってしまうときには、マイナス極の金属がすべて溶けてしまい、これ以上プラス極に流れる電子がない状態です。

放電しきった蓄電池を再び利用するためには、充電をしなければなりません。
充電するためには、蓄電池に電流を流し、プラス極の金属を電解液の中に溶かさなければなりません。つまり、プラス極の電子をマイナス極に移動することで充電前の状態に戻り、再利用が可能になるのです。

蓄電池には、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、NaS電池、リチウムイオン電池など種類がいくつかありますが、充電と放電の仕組みはすべて同じです。

家庭用蓄電池システムの仕組み

家庭用の蓄電池は、一般的に「一般負荷電源ライン」と「重要負荷電源ライン」に分かれます。

一般負荷電源ラインは、電力会社とつながっているため、災害時に電力供給はストップします。そのときに、蓄電池に貯めた電力を使用すれば、家庭内の電力を復活させることが可能です。また平常時でも、蓄電池の運転モードを切り替えれば、電力会社を介さずに家庭内で電力を供給できます。たとえば電力プランによっては、特定の時間帯の電気代が割高なケースが少なくありません。そのようなときに、時間帯によって蓄電池からの供給に切り替えるとかしこく電気代を節約できるというメリットもあります。

重要負荷電源ラインは、電力会社を介さず、蓄電池を家庭内の家電と直結させます。こちらは電気、冷蔵庫、テレビなどが相当し、万が一の停電時に蓄電池から電力が送られる仕組みになっています。手動で切り替える必要はなく、自動的に蓄電システムからの供給に切り替わるので安心です。

家庭用蓄電池システムは太陽光発電とのセットがおすすめ

2011年7月より、太陽光発電で余った電力を電力会社に買い取ってもらう、固定買取価格制度が誕生しました。
この制度により太陽光発電を設置する家庭が飛躍的に増えましたが、天気の悪い時期や夜間などは発電量が期待できず、停電時も対応が確実ではないという欠点がありました。

しかし太陽光発電を蓄電池システムと組み合わせることにより、万が一の事態でも電力の供給の可能性がはるかに向上しました。悪天候の時期も、太陽が出ている時期に溜めた電力を取り出せば効率的に節電もできます。

いざというときのために太陽光発電システムを導入するご家庭は多いですが、本当に必要なときに電力供給が保証されるのかというと、やはり疑問が残るところです。

太陽光発電と蓄電池システムの組み合わせで、日ごろの節電だけではなく災害にも強い家を目指しましょう。

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▼ふたつの有効な併用の仕方に関しては、こちらの記事をお読みください。
停電時も太陽光発電は使える!蓄電池との有効な併用法も解説

太陽光発電用の蓄電池にも寿命はある?

蓄電池は、充電すれば繰り返し使うことができます。
ただ、半永久的というわけではありません。
古くなった携帯電話は、100%充電をしてもバッテリーの消耗が早いですよね。それと同じで、どのような蓄電池にも寿命は存在します。

しかし「〇年」と明確に決められているわけではなく、使用状況や設置環境、商品によって寿命は上下します。
太陽光発電用の蓄電池の場合は、充電のサイクル回数によって判断されることがほとんど。
0%から100%にフル充電し、それが再び0%に戻るまでを「1サイクル」として計算します。一般家庭では、1日あたりおよそ1~2サイクルで稼働することが多いです。

サイクル寿命が6000回と規定されている製品の場合は、この計算でいくと、およそ10~15年が使用期間と考えて良いでしょう。

しかしせっかく設置するなら、少しでも長持ちさせたいですよね。
購入の際には、プロと相談しながら検討するのが得策といえるでしょう。

まとめ

蓄電池の仕組みは、「プラス極」「マイナス極」と金属の働きによって生じるものです。
無制限に循環が可能かと思いきや、寿命があるのは事実。

購入の際には、プロと相談しながら商品を選ぶようにすると、かしこい買い物ができるでしょう。

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