蓄電池で電気代はどれだけ節約できる?様々なケースで電気代をシミュレーション

えらぶ家 2022-6-24
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蓄電池を導入する理由としては、災害時の停電対策や電気代の節約などが挙げられます。特に、FIT買取期間が終了した家庭では、蓄電池を設置することで太陽光パネルで発電した電気を余さず自家消費し、電気代節約につなげようと考えているのではないでしょうか。

とはいえ、実際にどの程度の節約になるか見通しが立たないまま蓄電池を導入するのは難しいでしょう。そこで今回の記事では、蓄電池の導入でどれくらい電気代節約につながるか、蓄電池のみのケースや太陽光発電と併用するケース、それぞれの電気代のシミュレーションを通して解説していきます。

世帯当たりの年間電気料金は平均10〜12万程度

一般の家庭の世帯当たり年間電気消費量は、平均して4,258kWhと報告されています。この年間電気消費量は、月に換算すると355kWh、日に換算すると11.7kWhです。

出典:環境省令和2年度家庭部門のCO2排出実態統計調査

東京電力の電気料金

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これらを電気料金に換算すると、東京電力では以下の電力量料金となっていますから、年間で116,235円、月間で9,686円となります。なお、契約アンペアは30Aとしており、この場合の基本料金は858円です。

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東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの電力量料金(税込)
〜120kWh・・・19.88円
120〜300kWh・・・26.48円
300kWh〜・・・30.57円
出典:東京電力エナジーパートナー料金単価表‐電灯(従来からの料金プラン)

関西電力の電気料金

一方、以下の料金を設定している関西電力では、年間電気消費量4,258kWhの電気料金は、年間で104,101円、月間で8,675円となります。なお、関西電力では、基本料金はありません。

関西電力の従量電灯Aの電力量料金(税込)
最初の15kWhまで・・・341.01円
15〜120kWh・・・20.31円
120〜300kWh・・・25.71円
300kWh〜・・・28.70円
出典:関西電力従量電灯A

このように、年間の電気料金は10〜12万程度と大きく、これを節約できれば家計の助けとなるのは間違いありません。

蓄電池のみを導入したケースの電気代

それでは、まず太陽光パネルを設置しておらず、蓄電池のみを導入するケースの電気代をシミュレートしてみましょう。この場合に電気代を節約するには、電気代の安い深夜に蓄電池を充電し、蓄えられた電気を朝や昼間、夕方に使用することが必要となります。

東京電力の深夜割引プランを利用

例えば、東京電力の夜トク8プランでは、以下の料金設定となっています。
なお、夜トク8プランの基本料金はスマート契約(実量制)で、1kWあたり214.50円となっています。東京電力のサイトでは、ブレーカ契約で60Aの場合、スマート契約の契約電力(推計値)は4kWとなっていますので、これで計算すると基本料金は月間858円となります。

基本料金を契約電力4kWの場合、蓄電池の電気だけを使用する、つまり23〜7時に充電した電気だけを使うとすると、電気料金は、年間で100,395円、月間で8,366円となります。

夜トク8の電力量料金(税込)
7〜23時・・・32.74円
23〜7時・・・21.16円
出典:東京電力エナジーパートナー夜トクプラン
東京電力エナジーパートナーはぴeタイムR

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そのため、家庭で使用する全ての電気を23〜7時に充電した電気で賄えるとすると、電気料金は、年間で91,122円、月間で7,593円となります。これは、蓄電池がないケースと比べると、年間で12,979円、月間で1,082円という大幅な節約となります。

蓄電池の蓄電容量と深夜割引プランにより電気代は大きく違う

このように、蓄電池を導入して、夜間割引で電気代を節約しようと考えている家庭では、電力会社や料金プランによって大きく電気代が変わることに注意が必要です。また、上記の電気料金の算出では、家庭で使用する電気の全てを蓄電池の電気で賄えるとしました。この場合(月間355kWhの電力消費量)、蓄電池の蓄電容量が12kWh程度は必要となります。

蓄電池と太陽光発電を併用したケースの電気代

次は、蓄電池と太陽光発電を併用するケースをシミュレートしてみましょう。ここでは、蓄電容量6kWhと12kWhの蓄電池を導入したケースについて考えていきます。

蓄電容量6kWhのケース

まず、蓄電池の蓄電容量が6kWhのケースについて、どれだけ電気代を節約可能か見ていきます。太陽光発電のみで蓄電池を完全に毎日充電可能であるとします。このとき、平均の月間電力消費量355kWhから、蓄電池で賄える電力の月間180kWhを引いた175kWhが電力会社から購入する電力量となります。そのため、東京電力では、月間にして4,561円、年間にして54,732円の電気料金がかかります。これは、蓄電池と太陽光発電を共に設置していない場合に比べて、月間で5,125円、年間で61,500円の節約となります。

蓄電容量12kWhのケース

では、蓄電池の蓄電容量が12kWhのケースではどうでしょうか。このとき、月間電力消費量355kWhのほぼ全てを太陽光発電で充電した蓄電池の電気で賄うことができます。そのため、月間9,686円、年間116,235円にも及ぶ電気料金全てが節約できることになります。

蓄電池の容量についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
「家庭用蓄電池に必要な【容量】を徹底解説 すべての条件を満たすkWhとは」

太陽光発電の実質発電量と蓄電池の充電時間が重要

蓄電容量6kWhと12kWhの蓄電池を導入したケースの電気代を算出しました。ですが、そもそも太陽光発電のみで0充電の蓄電池を満充電にできるのか、また上記の電気代算出では雨や曇りの日を考慮していません。そのためにはまず、以下等を考慮した太陽光発電の実質的な発電量の算出が必要です。

発電量の算出に考慮が必要な要素
・太陽光パネルの容量(出力)
・日照時間
・太陽光パネルの向き
・パワコンやパネルの温度上昇によるロス

さらに、太陽光発電の出力が十分でも、蓄電池の最大入力電力が足りていないというケースもあります。つまり、蓄電池の充電時間が長く、一日の有効日射時間である2.6〜4時間程度では、蓄電池を充電しきれない場合です。また、一日中雨が続いている日では、蓄電池の充電はほぼできないと考えて良いでしょう。このように、太陽光発電は不安定な電源ですので、蓄電池と併用する場合には注意してください。

蓄電池の充電時間についてはこちらで詳しく解説しています。あわせてお読みください。
「蓄電池の充電時間で大きな差が出るって本当?商品選びの基準の1つに」

まとめ

いかがでしたでしょうか。
お住まいの地域によって、またさまざまな条件によって正確な数値を出すのは困難ですが、だいたいの目安として、蓄電池を設置した場合にどれくらい電気代を節約できるかについて、シミュレーションを行いながら解説してきました。

やはり太陽光発電と組み合わせることで蓄電池の性能を最大限活かせることがお分かりいただけたかと思います。また蓄電池の要領、充電時間の短さなども節電に大きく関わってきます。大きくて高性能なものをそろえれられれば一番ですが、予算などもあってそう単純にはいかないでしょう。

長く使えて長期視点で節約できるものですので、じっくりしっかり検討して、後悔のない蓄電池選びをしてくださいね。

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