蓄電池の選び方を容量や出力などから紹介

えらぶ家 2020-6-1
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家庭用蓄電池の設置を決めた場合、蓄電池をどう選ぶか、その選び方についても考える必要があります。しかし、何を基準にどのように選ぶべきか、よく分からないと感じる方も多いでしょう。

蓄電池は、蓄電容量をはじめさまざまな比較項目があります。また、それぞれの項目を理解した上で選ばなければ、自宅に合わない蓄電池を設置してしまう可能性もあります。

今回は、蓄電池の選び方を知りたい方へ向けて、蓄電容量や連係・保証などから選び方を分かりやすく解説します。また、電気料金の計算についても解説しますので、この機会にまとめて考えていただけると幸いです。

蓄電池の選び方

まずは蓄電池の選び方に関する基本から押さえておきましょう。

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蓄電池を選ぶ時は、主に以下の項目に注目する必要があります。
• 蓄電容量
• 出力
• 停電時出力
• サイズ
• 重量
• 連係方式
• 保証条件
• グリーンモード
• 設置業者

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特に蓄電容量は、節電効果を伸ばしたり非常時に使用したりする際に関係するため確認しておきましょう。また、出力の大小によって、同時に使用できる電気機器の数・種類も変わります。

蓄電容量から見た蓄電池の選び方

ここからは、蓄電池の選び方で特に重要な蓄電容量について解説します。

蓄電容量は、3kWhや5kWh・10kWhなど、家庭用でも多種多様な仕様となっています。そのため、どんな目的でどのような使用方法を検討しているのかを考えながら、蓄電容量について確認してみましょう。

蓄電容量には実効容量と定格容量の2種類に分かれている

蓄電池の蓄電容量とは、どれだけ電気を蓄えられるのかということを「kWh」という単位で表したものです。また、1kWhは1時間あたりの電力量となります。

蓄電容量「kWh」は、タンクのようなイメージです。また、後段で紹介する出力は、タンクから水を流す配管・蛇口のようなイメージとなります。

さらに蓄電容量を考える時は、実効容量と定格容量についても知っておくのも重要です。

定格容量とは、カタログに記載されていることの多い項目で、ある条件で蓄えられる蓄電容量のことです。いわゆる理論値・理想のスペックと考えると、分かりやすいのではないでしょうか。

一方実効容量は、実際に使用した場合、どれだけ電気を蓄えられるか示したものです。蓄電池を設置・運用する方にとって、実効容量の方が参考になります。

節電目的で運用する場合の選び方

蓄電池を節電目的で設置・運用する場合は、1ヶ月の消費電力から蓄電容量を考えるのもおすすめです。

節電目的の場合は、電気代の安い時間帯に買電・蓄電し、電気代の高い時間帯に放電といった使い方も考えられます。その場合は、電気代の高い時間帯の買電を抑えられるよう、普段よく使用する家電製品の消費電力から蓄電容量を検討しましょう。

また、時間帯によって電気代が変わらないプランの場合も、よく使用する家電製品の消費電力を合算してみます。

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電気料金削減額の計算

消費電力は、毎月の明細書で確認可能です。
例:1ヶ月の消費電力120kWhと仮定(1人暮らし)
• 1日当たりの消費電力、約4kWh
• 定格容量4kWh、実効容量3.6kWh(充電時間、3時間)
• 30日中、15日を充電日と仮定した場合、1ヶ月54kWhの節電が可能
• 120kWh-54kWh=66kWhの消費電力

また、東京電力従量電灯制Bと仮定した場合、電気料金削減額は以下の通りです。
• 20A契約と仮定
• 消費電力120kWhの場合、1ヶ月の電気料金2957.6円
• 蓄電池を使用した場合、1ヶ月の電気料金1884.08円
• 1073.52円の電気料金削減

消費電力に合わせて定格容量4kWhの蓄電池を導入した場合は、上記のような節電プランも考えることができます。

まずは1ヶ月の電気料金と電気料金プラン、そして消費電力を確認し、必要な蓄電容量を計算してみましょう。

非常時の使用を想定した場合の選び方

停電を想定して蓄電池を選ぶ場合は、1ヶ月の総消費電力から計算しない方がいいでしょう。なぜなら、停電時に必要なものは限られているからです。

たとえば以下のような設備・製品は、災害などによる停電時に必要と言えるでしょう。

例:停電時
• 暖房・冷房機器
• リビングなどの照明
• IHクッキングヒーター
• 冷蔵庫
• オーブンレンジ、電子レンジ
• スマホの充電
• テレビ

もちろん加熱の必要がない非常用食料を購入していれば、IHクッキングヒーターやレンジの稼働無しで食事できます。

また、大規模災害の場合は、数日以上停電が続くため蓄電池のみでカバーできません。そこで太陽光発電と組み合わせて、蓄電池の運用を考えてみましょう。

太陽光発電と併用する場合は、太陽光発電と接続できるタイプでなおかつ発電容量と蓄電容量のバランスを考えることも必要です。

たとえば太陽光発電の発電量が1日あたり5kWの場合、実効容量で6kWh以上あれば余裕をもって蓄電可能です。

停電時の活用を優先する場合は、最低限必要な家電製品の消費電力を合算するのが大切です。また、太陽光発電との併用を考える時は、発電量を上回る蓄電容量を検討しましょう。

サイズや設置方式から見た蓄電池の選び方

続いては、蓄電池のサイズや設置方式から選び方について解説します。家庭用蓄電池は、モバイルバッテリーと違い、小型冷蔵庫程度のサイズで設計されています。また、重量も一定程度あるため、設置スペースや環境について配慮しなくてはいけません。

庭やガレージがあり余裕もあれば屋外型を検討

住宅の庭やガレージなどに設置スペースがあれば、屋外型の家庭用蓄電池を選ぶのもいいでしょう。また、他にも以下のような条件であれば、屋外設置を検討してみることをおすすめします。

• 日陰になる(日光が直接当たらない)
• 風通しがいい
• 積雪の少ない・寒冷地域ではない
• 塩害の無い地域
• 住宅内に搬入できない
• 床の耐荷重を超える重量で屋内に設置できない

屋外に家庭用蓄電池を設置する時は、コンクリート基礎工事が必要となり合計1日~5日程の工期です。

▼蓄電池の設置場所がなかなかイメージできない方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
蓄電池の設置場所はこう決める!

蓄電容量の小さいタイプで問題ない場合は屋内型

比較的コンパクト・蓄電容量の小さい蓄電池を設置する場合は、屋内設置を選んでみるのもいいでしょう。また、他にも以下のような条件であれば、屋内設置を検討してみてはいかがでしょうか。

• 床の耐荷重を超えない蓄電池の重量
• 積雪量が多い
• 寒冷地域
• 屋外の場合、どうしても直射日光が当たってしまう
• 塩害地域
• 屋外は可燃性の物質やガスが漂いやすい状態

屋内に家庭用蓄電池を設置する場合は、屋外型と違い基礎工事不要です。また、搬入経路や床の耐荷重に問題がなければ、通常1日で設置作業は完了します。

7kWhや4kWhといった蓄電容量で十分と考えている方は、屋内設置に対応している設置業者を探してみましょう。

系統連携から見た蓄電池の選び方

続いては系統連携から見た蓄電池の選び方について解説します。系統連携とは、太陽光発電や電気自動車など、他の設備と接続するシステムのことです。

蓄電池によって系統連携の有無は異なるため、慎重に比較検討しましょう。

単体で使用する予定の方におすすめの単機能型蓄電池

単機能型蓄電池とは、蓄電池単体で稼働できる仕様のことです。たとえば太陽光発電などの設備を設置していない住宅でも、問題無く設置・充放電できます。

蓄電池のみを設置したい方にとっては、特にデメリットを感じることはないでしょう。しかし、単機能型蓄電池のパワーコンディショナー(交流を直流へ変換)は、太陽光発電に対応していません。

そのため、太陽光発電の導入も検討している場合は、後段で紹介するハイブリッド型蓄電池を検討してみましょう。

太陽光発電と併用する方におすすめのハイブリッド型蓄電池

ハイブリッド型蓄電池は、蓄電池と太陽光発電のパワーコンディショナーが一体化した仕様です。特に太陽光発電と同時に導入したい方には、便利なシステムです。また、単機能型蓄電池と大きな価格差はありません。

一方太陽光発電を既に導入していて交換の予定がない方、蓄電池のみを稼働する予定の方は単機能型蓄電池がおすすめです。

選び方のポイントとしては、以下を確認してみましょう。
• 太陽光発電と蓄電池の導入時期が同じ
• 今後太陽光発電の導入予定がある

▼ハイブリッド蓄電池に関してより詳しく知りたい方はこちらも合わせてご覧ください。
これからはハイブリッド蓄電池!2つの特大メリットと価格や費用対効果を解説

複数のパワコンを組み合わせたトライブリッド型蓄電池

ハイブリッド型蓄電池は2種類のパワーコンディショナーを1つにまとめましたが、トライブリッド型蓄電池は3種類に増えました。

• 蓄電池
• 太陽光発電
• 電気自動車(EV)

電気自動車を購入している方は、特にメリットのあるシステムといえるでしょう。しかし、今後もガソリン車で運転したい方にとっては、メリットの少ない選択肢ですので慎重に検討しましょう。
価格は単機能型蓄電池・ハイブリッド型蓄電池よりも高い傾向です。

よりコンパクトな蓄電池が欲しい場合はスタンドアロン型

スタンドアロン型とは、配線工事不要で充放電できるタイプのことです。また、充電する場合は、コンセントに蓄電池を接続します。

メリットとしては単機能型蓄電池などと同じく、5kWhなどのタイプもある点でしょう。つまり小型バッテリーと違い、家電製品などへの電源供給が可能です。

出力から見た蓄電池の選び方

ここでは、蓄電池の出力から見た選び方を解説します。

蓄電池における出力は同時に使用できる

蓄電池の出力(定格出力)は、1度の放電でどれだけの設備へ電源供給できるかという点と関係があります。

イメージとしては、水道の蛇口・配管です。
• 蓄電容量:水を入れるタンク
• 出力:水を流す配管・蛇口

つまり蓄電容量が大きいだけでは、数多くの電気機器に放電できません。そのため蓄電池を設置する場合は、定格出力にも注目しましょう。
例:
• 定格出力1kW:合計1kWの消費電力まで、同時に家電製品や電気機器の充電もできる

蓄電池の選び方は保証条件なども考慮する

最後に、蓄電容量や設置形式に加えてチェックしておきたい、選び方に関するポイントを紹介します。

• 保証条件:メーカー保証の年数や適用条件を比較
• 価格:たとえば同じ蓄電容量・出力で、どの程度価格差があるのか、など
• グリーンモードの有無:太陽光発電の発電量が少ない時、放電し買電量を抑える機能

蓄電池の選び方は多角的な視点で考えるのが大切

蓄電池を選ぶ時は、蓄電容量や定格出力・パワーコンディショナーの種類・サイズや重量など、非常に多くの要素から考えるのが大切です。

しかし、仕事や家事などで忙しく、なかなか選び方を意識して検討するのも難しいのではないでしょうか。

蓄電池の設置を検討している方は、設置業者の一括見積サービスを利用してみてはいかがでしょうか。要望に沿って、蓄電池設置業者へ複数同時見積してくれます。また、優良蓄電池設置業者は、蓄電池の選び方についても専門知識があるので、ちょっとした疑問や相談にも応えてくれます。

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