蓄電池のメンテナンス方法は?点検が必要となるタイミングやその費用についても解説

えらぶ家 2020-4-7
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家庭用蓄電池は、導入費が高く付くことから、その導入に二の足を踏んでいる方もいるのではないでしょうか。そこにランニングコストも加わると考えると、さすがにむずかしい、となりかねません。ですが、太陽光パネルとは異なり、蓄電池には定期的な点検は義務付けられておらず、故障などがなければ定期的な費用はかかりません。

今回の記事では、蓄電池のメンテナンス、また点検が必要となる時期や、そのときにかかる費用について解説していきます。また、蓄電池の寿命や保証・補償についても説明しますので、蓄電池を導入する際の参考にしてください。

蓄電池に定期的なメンテナンスは必要か?

家庭用蓄電池のほとんどは、リチウムイオン電池を使用しているので、特に手間のかかるメンテナンスを必要としません。ですが、リチウムイオン電池は高温に弱いので、通気口をチェックして埃がたまっていれば掃除したり、周囲に雑草が生えていたら取り除いたりする必要があります。なお、製品によっては、1年に1回程度の通気口の清掃を推奨しているものがあり、蓄電池の計測・制御モニタ等を通して清掃を行うように通知をしてくることがあります。ただし、故障していないかどうか、エラーが発生していないかどうかのチェックは必要ですので、1月に1回程度は異常ランプ等の点検をするとよいでしょう。

以上、蓄電池本体のメンテナンスについて述べましたが、パワーコンディショナ(パワコン)などの周辺機器については、一般的な電気製品と同じようなメンテナンスが必要となります。取扱説明書などを参考にメンテナンスを実施してください。

蓄電池は使用期間が10〜15年程度になったら点検が必要

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一方、蓄電池の使用期間が、メーカの無償保証期間や有償保証期間、製品の耐用年数である、10〜15年に近くなったときにはメーカーや販売店などの点検が必要となります。点検費用は、数万円が相場ですが、修理や部品の交換が生じれば費用はさらに高くなります。例えば、リチウムイオン電池そのものを交換しなくてはならない場合、蓄電池の蓄電容量により変動しますが、10万円/kWh程度の費用が必要となります。ですが、リチウムイオン電池の価格は年々低下していることから、交換費用は安くなっていくことが予想されます。

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もちろん無償保証期間中でしたら、点検以外の修理や部品交換費用は無料となります。ただし、無償保証となるのは、使用者の故意や過失の故障でなく、設置工事や使用環境が適切である場合に限りますので注意してください。

パナソニックの点検お知らせ機能

製品によっては、一定の使用期間が過ぎると点検しなくてはならないものがあります。例えばパナソニックの蓄電池では、製品によりますが10年程度使用すると、「点検お知らせ」がモニタ等に表示されます。このとき、メーカーか販売店に連絡して点検を行わないと、安全のため自動的に運転を停止してしまいます。故障などがなければ、数万円の点検費だけで済むのでメーカーや販売店へ連絡しましょう。なお、この機能の詳細については、パナソニックのHPを参照してください。

シャープのWebモニタリングサービス

また、メーカーによっては、蓄電池の遠隔監視サービスを提供していることがあります。シャープが提供しているWebモニタリングサービスでは、インターネットを介して蓄電池システムにエラーが発生していないかどうかを監視。不具合が生じた場合はすぐに対応してくれます。ただしこのサービスは、10年間の無料保証期間、または有償の15年間の保証期間のみの提供となります。詳しくは、シャープのHPを参照してください。

蓄電池はどれくらいもつのか?

それでは、家庭用蓄電池は、購入してからどれくらいの期間使用できるのでしょうか。ここでは、蓄電池本体とパワコンの寿命について説明します。

蓄電池の寿命

蓄電池の寿命は、使用期間とどれだけ充放電を繰り返したかを表すサイクル回数で計られます。メーカーの発表では、使用期間としては10〜20年、サイクル回数としては4000〜10000回とされています。

ですが、使用期間やサイクル回数が寿命とされる値を超えたとしても、蓄電池がすぐに使えなくなるわけではありません。蓄電池の容量は、使用年や充放電の繰り返しで徐々に減っていきます。使用期間やサイクル回数の数値は、あくまで蓄電容量が減少してしまう目安を表すものなのです。ですが、メーカーとしては、寿命と設定している使用期間やサイクル回数を超えた場合、一定の蓄電容量の減少が見られた場合には、蓄電池の交換を推奨しています。

パワーコンディショナの寿命

一方、パワコンの寿命は、10〜15年程度と言われています。設置後10年程度での点検が推奨されていますが、このとき部品交換だけならば5〜10万円程度の出費で済むでしょう。ですが、交換となると、パワコンの相場は、蓄電池専用のもので10〜40万円、ハイブリッドのもので25〜60万円となっているので出費は大きくなります。さらに、パワコンの交換費用が数万円程度はかかるので、これも考慮しなくてはなりません。

蓄電池の保証・補償について

次は、家庭用蓄電池の機器に対する保証や自然災害や盗難に対する損害補償について説明します。

メーカー保証

家庭用蓄電池には、一般に10〜15年程度の無償のメーカー保証がついています。ですが、保証の内容は、メーカーや製品で異なり、蓄電池本体のみの保証であったり、パワコンなどの周辺機器を含んでいたりと様々です。また、有償の保証を提供しているメーカーもあります。その場合、10年の保証を15年に伸ばすケースでは、5〜10万円程度の料金が設定されています。

自然災害補償

火災や台風などの自然災害による損害補償を提供しているメーカーや販売店もあります。自然災害補償がカバーしている災害は、火災や台風、豪雪などがほとんどで、地震や津波は適用されないことが多いです。ただし、その内容は様々ですので、補償内容を精査の上、ご契約することをおすすめします。

盗難補償

販売店によっては、盗難補償を提供しているところもあります。蓄電池を屋外に設置する場合、太陽光パネルと同様、盗難に遭いやすいです。固定の仕方を工夫する、監視カメラを付けるなどの対策はもちろんですが、もしもの時のために盗難補償を付ける方が増えています。

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まとめ

以上、家庭用蓄電池のメンテナンスの方法や必要となる期間、費用などについて解説しました。蓄電池の日頃のメンテナンスは、基本的に簡単で自ら行うことができます。ですが、機器の劣化や故障が出始める、設置後10〜15年にはメーカーや販売店などが実施する点検を必要とし、費用が発生します。

何もなければ良いですが、機器の思わぬ故障や災害、盗難などによって蓄電池が使えなくなってしまうこともあるかもしれません。機器の故障に対してはメーカー保証、災害や盗難などには損害補償が用意されていますので、予算に応じた適切な選択をしていただければと思います。

蓄電池についての基本はこちらの記事にまとまっています。ぜひ合わせて見てみてくださいね。
蓄電池とは何か?仕組みや特徴を分かりやすく解説

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